第1話 和聖の幼稚園、小学校時代 中学生時代

 和聖の幼稚園、小学校の低学年時代は小児喘息を患い、外で元気に遊ぶことが難しかったため、目立たない子供だった。当時のほとんどの記憶は、学校と病院の行き来ばかりだった。しかし、小学五年生になってやっと健康になり、それ以降の記憶があり、勉強は全くできなかったが運動だけはクラスで一番だった。


 小学六年生の頃に、和聖の祖母が自身の貸店舗で女性が男性を接待するクラブを経営していたことで、ホステスのお姉さんたちは自宅隣のアパートに住んでいたこともあり、彼は度々部屋に招かれてジュースやお菓子をもらっていた。


 当時の和聖は当然だったが女性に対して全く興味がなく、彼女たちの下着姿を見ても特に何も感じず、無邪気で純粋な子供だった。このように、和聖の幼稚園から小学校時代は病気に苦しみながらも、高学年になってからは健康になり運動だけが取り柄でそれでも楽しい時間を過ごしていた。


 中学一年の保健体育の授業を受ける中で、和聖は祖母のクラブで働くお姉さんたちを女性として意識し始めた。彼女たちの年齢は十八歳から三十五歳ほどで、中でも三十五歳のお姉さんが和聖にとって特別だった。


 そのお姉さんの昼は隣の店舗で美容室を経営する傍ら、夜は祖母のクラブでアルバイトをしていた。その技術と美貌により、クラブのホステスの髪結いも担当していた。


 そのお姉さんと和聖の母は個人的に親しく付き合っており毎日、美容室の仕事を終えると彼の家の風呂に入った後、クラブに出勤していた。


 当時の和聖とお姉さんは二十三歳の年齢差があったが、彼女は大人の女性の色っぽさと気品を持ち合わせた魅力的な存在だった。思春期に入った和聖にとって、彼女の魅力は何とも言えないものがあった。彼はそのお姉さんを女性として意識し憧れを抱くようになっていた。


 ※ ※ ※


 和聖は思春期を迎え、お姉さんを女性として見るようになってから、彼女が美容室の営業を終えて彼の家の風呂に入る時が楽しみで仕方なかった。この時期にはまだ女性の下着には全く興味がなく、と言うよりも思い付かなかったと言うのが本当のところだった。


 そして特に夏場の暑い季節の彼女は、ティーシャツ一枚にミニスカートなど薄着の場合が多く、性に目覚めたばかりの和聖には十分に刺激的だった。彼女の後ろを通る時にわざと尻に手を触れさせることも良くしていた。


 ムチムチの太腿やシャツの襟から見える、柔らかそうで豊かな胸の谷間などをさりげなく目に焼き付け、夜のオカズにしたものだった。


 お姉さんとデートする時があった。それは東北の島から出てきた彼女と話をしていると、「和ちゃんは東京タワーに行ったことある?」と訊かれた。


「下まで行った事はあるけど上に行った事はないよ」

「今度の休みに一緒に行こうか?」

「うん。行きたい」


 そしてその当日、東京タワーに二人で行った。エレベーターの中は鮨詰め状態だった。和聖の目の前にお姉さんの尻があった。彼は迷う事なく尻に手を這わした。お姉さんはまさか彼がしているとは思わなかったようでエレベーターから出ると、「痴漢されちゃった」と言ったので和聖は「お姉さんは美人だから」と言った。


 ※ ※ ※


 和聖の中学三年生頃になると下着に興味が湧き、家族が誰もいない日だけの楽しみにしていた。お姉さんが脱衣所で服を脱ぎ下着を服の下に隠して浴室に入り体を洗う音が聞こえてから忍び込んだ。


 母の下着では見たことがないようなレースのフリルが付いた、赤、黒、紫などの原色でゴージャスなショーツが眩しいほどに輝いていた。開いて内側のクロッチ部分にはシミが着いていて匂いを嗅ぐと頭がクラクラするような豊潤で艶めかしい香りが脳天を突き抜けた。


 大きくなっていた自身に巻き付けて、お姉さんとエッチな事をしている姿を想像していた。しかしこんな事がお姉さんや家族にバレたら大変だと思い、そのまま有った場所に戻し、後ろ髪を引かれながらもその場を後にした。


 我が家は二階だった。隣の棟に祖母が経営するアパートや貸店舗があり、祖母のクラブに勤務するホステスのお姉さんたちの部屋が一階だった。彼女の部屋の前には掃き出しのサッシ窓があり、下着が干してあるのを和聖は良く目にしていた。


 お姉さんの下着をじっくり見たいと思い、ある日に決行した。洗濯した湿り気のあるショーツを一枚拝借したが隠し場所に困った。自分の家に持ち帰る訳にも行かず、仕方ないのでアパートの住人用のトイレの上の天井裏に隠すことにした。


 お姉さんのブラジャーはアルファベットと数字が書かれていてエッチ六十五だったがその当時の和聖は全く興味がなかったし意味は分からなかった。週に一度の割でお姉さんの洗濯後のショーツを盗んでは、トイレで彼女をオカズにしてスッキリした後に自分の部屋に戻っていた。


 そしてその行為が露呈する日が来た。週に一度と言え、干してあるショーツが無くなるのだから、不審に思うのも当然だった。ある日、和聖がお姉さんのショーツを物色していると窓が開き、「和ちゃんだったのね!? 部屋に来なさい!」と強い口調で言った。


 その窓から部屋に上がらされ、そして下着泥棒をしたことの詳細を聞かれた。 隠し場所に置いたショーツ五枚を彼女に返した。その時に和聖の迸りが着いて接着されていたショーツの布地をビリビリと剥がす姿の彼女の顔を見ていると別に嫌悪感を持ってはいなかったことが不思議だった。


 この時に和聖は、どさくさに紛れて、「お姉さんの事が好きです!」と告白をした。その時の彼女は「私も和ちゃんの事は大好きよ」と言ってくれたことが夢のようだった。今後はしない事を約束し、両親には内緒にしてくれるとのことで和聖は安心し、その後は何事もなかったように、彼女も彼も過ごした。

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