第3話 呼び出しは、突然に......
金曜日は何事もなく学校生活を送り、学生にとっての神のような日、土曜日がやってきた。
俺にとっては、ただ毎日ゴロゴロして過ごすだけの時間だが、つまらない授業を聞いているよりかは全然マシだ。
「今日は出前でも頼むか。Over eat(オーバーイート)ってなんかキャンペーンやってるっけ?」
独り言を呟きながら、今日の「だらける人のだらける人によるだらける人のためのだらけきった一日の計画」を建てていると、突然俺のスマホに一通の通知が来た。
(龍希のやつ、またゲームしようとか言い出してきたんだろうなぁ......)
そう思いながら、連絡先が龍希しか登録されていないメッセージアプリを開き、メッセージを開いた。
「雪)真波くん、今って暇?」
うん、暇だよ龍希......
ん?「真波くん」???
龍希が......「真波くん」???
あの龍希が「真波くん」なんて言ったり書いたりするはずがない。
じゃあ誰か?
よく、そのメッセージを確認すると、そこには何故か、木滝さんの名前が表示されていた。
「真波)木滝さん?」
「雪)そうだよ、ごめんね? 急にメッセージ送っちゃって」
「真波)別にいいんですけど、なんで俺の連絡先知ってるんですか? 誰も知らないはず......」
あ、いるわ。1人だけ。俺の連絡先知ってる奴。
「雪)八葉矢くんに教えてもらったんだ。ついでにクラスの連絡グループにも入ってると思うんだけど......」
だよな? 龍希しかいないよな???
.......え? クラスの連絡グループ???
マジ? 嫌なんだけど......
そう思いながらメッセージアプリの表示を確認すると、「2-2」というチャットがあった。
龍希が俺を招待した。連絡グループの一番上にそのようなことが表示されている。
通知やらがうるさいという理由でクラスの連絡グループだけは絶対に入りたくなかったのに......
龍希は後で制裁を加えるとして、なぜ木滝さんがメッセージを送ってきたのかを疑問に思った......いや、昨日は何も無かったけど何となくはわかる......
「真波)俺は暇ですけど、どうかしたんですか?」
「雪)え? 一昨日言ったこと、もう忘れた?」
知ってた、やっぱりそうなるよね?
うん、終わった。
「〜〜〜♪」
今度は俺のスマホから電話の着信音が鳴り始めた。
俺は恐る恐る通話をONにする。
「あ、もしもし? 真波くん?」
当たり前だが、木滝さんの声だった。
「木滝さん、どうも......」
「今暇なんでしょ? だったら、今から学校来て欲しいんだけど......」
「暇ですけど、え? 学校ですか......?」
「うん、私居なかったら音楽室前で待ってて、それじゃ」
ツー ツー ツー.....,
通話が終わったあと、少しの間放心状態になった俺。
スマホの画面を見ると、俺のことを煽るかのように、「今日限りの特大キャンペーン」という、だらけきった生活を送るのには、とてもマッチしたキャンペーンの告知が表示されていた。
今日1日、ピザを食い、コーラを飲み、ゲームをして、昼寝をする。
そんな俺の考えただらけきった生活は、木滝さんのお願いによって、儚く、一瞬にして散っていったのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます