解答編
待つという行為は、どうしてこうも非効率的なのだろうか。
火曜日、優奈は人生で初めて下駄箱に手紙を入れた。ラブレターではなく、脅迫状だった。とはいえ、内容は「午後五時ぴったりに、二階の空き教室に来てください」という極めて簡素なものだ。これが脅迫に成り代わる理由は、つまり、この手紙を受け取る相手が犯人だからだ。
犯人が来るという確信はあった。万が一来なくても、警察に話せばいいだけのことだ。最初から警察を呼べば安泰だろうが、それが憚られたのは、自分の名前を利用してまで竜星を殺害した犯人を、自分の目と論理で確かめたかったからだ。そういった感情的な理由で非効率的な行動を起こす時点で、自分もまだまだ子供なのだろう、と優奈は思う。
午後五時を回った、その瞬間、扉が開いた。犯人の姿が露わになる。
「安心して。扉には何も挟んでいないから」
犯人は、わざとらしく足音を立てる。教室に入り、優奈の前まで歩み寄る。
「来てくれてありがとう」
優奈は深々とお辞儀をして、顔を上げる。犯人に息がかかる距離だ。もしかしたら凶器を持っているかもしれない。そうとなれば、まず自分の命はないだろう。それでも構わないと思ってしまったのは、優奈が空っぽだったからだ。今の今まで、「名前を利用された」という屈辱で紛らわせていただけで。
ここで犯人を明らかにすれば、屈辱は雲のように消えて、抜け殻だけが残る。そのあとは分からない。考えないのではない。分からないのだ。優奈に先見の明はないのだから。
それでも、抜け殻が悪いわけではない。プラスがゼロに戻るように、恋も屈辱もなくなって、平坦な気持ちになるだけだ。そのあとは、そのあとでどうにかしよう。つくづく、自分は刹那主義を掲げているように思う。
優奈は、犯人と目を合わせる。メデューサのように。「逃さないぞ」と言わんばかりに。
優奈は深く息を吸って、ゆっくりと、犯人の名前を呼ぶ。
「竹田空澄」
空澄は、まるで優奈を見下すように、鼻で笑った。
「私が犯人と言いたげな様子ね」
「正解」優奈も負けじと舌を出す。「自首してくれたのかなって思っちゃった」
窓から夕陽が顔を出す。優奈は目を細めながら、鬱陶しそうにカーテンを閉めた。教室が薄暗くなる。陰鬱な空気が、今だけはむしろ心地良い。
「説明してよ」空澄が語気を強める。「私が犯人だと思った理由を」
優奈は適当な机に腰掛けて、深呼吸した。拍動が激しい。人前に立つと緊張するように、慣れないことをするときは、いつも心臓が敵に回る。わたしの心臓、一度くらい助けてくれたっていいだろう。心の中で毒を吐く。
優奈は、まず問いかけた。「違和感は、どういったときに生じるでしょうか」
空澄は成績優秀だが、教科書に載っていない知識には疎い。押し黙る空澄を見て、優奈はかりそめの優越感に浸る。
時間切れと告げてから、優奈は解答を発表した。
「正解は、本来あるはずのものがないときです」
あるはずのもの。空澄は考える。たとえば、松原は毎授業で宿題を出す教師だが、たまに宿題の存在を忘れることがある。そのとき、空澄はどうしようもなく不自然に感じるのだ。
「そう」優奈が言う。「わたしが富岡くんを見つけたときにも、本来あるはずのものがなかった」
空澄は顔を歪ませる。「何が言いたいのよ。本当に回りくどい」
その表情を見て、優奈はビンゴだと確信した。その日の現場には、確かに何かが欠けていたのだ。たとえるなら、ジグソーパズルの最後が埋まっていない状態。
「富岡くんを含めると、一年一組は三十四人だよね」
「そうよ。それがどうしたの」空澄は苛立ちを隠そうとしない。
「だから机と椅子も、三十四セットあるはず。本来なら」
空澄は口を噤む。言葉を失う、というよりかは、失言をしないようにあえて黙っている。一旦、優奈のペースに合わせようという算段だ。
「あの日の教室、黒板と向かい合っていた机と椅子は、三十二セットだった。余った机二つは、扉を塞ぐためのバリケードとして使われた」
空澄は、優奈が言わんとしていることを理解していた。
「じゃあ、椅子はどこに行ったんだろう」
空澄は頭を働かせていた。どうにかして話の腰を折らなければ、真実に辿り着いてしまう。しかし空澄には、話題を逸らす方法も浮かばなければ、反論も思いつかなかった。
「机はバリケードに使われた。ものは言いようだね。本当は、バリケードに使わざるを得なかったんじゃないかな」
「意味が分からないっ」空澄が怒鳴る。「バリケードを作る理由なんて、誰かが入らないようにするためだけよ」
「だから逆だったんだよ、順序が」優奈がため息をついた。「椅子を隠すために、机を消費しようとした。その結果、バリケードにするという案が浮かんだ」
再び空澄は押し黙った。図星だったからだ。
「そう、失われた椅子に意識が向くことは、どうしても避けたかった。凶器の石を扉に挟めて、机がバリケードに使われたことを助長する必要すらあったほどに。なぜなら、当時の現場には、凶器の他に、扉に挟めそうな物体が教室にはなかったから。そして探す時間も惜しかったから。つまり、椅子の存在は、それほどまでに天秤を傾かせたってこと」
優奈は最初、扉に挟まっていた石は、自分に傷害を負わせるためのものだと思っていた。しかし、その石は扉に挟めるほど軽い。凶器として振り下ろすならともかく、自由落下程度では、殺傷能力はおろか、瞬間的な痛みが走るだけだろう。イタズラにしても、わざわざバリケードで片方の扉を塞いでまで実行するものだろうか。優奈は、その不自然さに目を付けた。
「考えてみたんだ」優奈が言葉を続ける。「計画を狂わせるほどの『椅子』について」
机と椅子。本来は、授業を受けるために使用される。それ以外の特殊な用途となると、文化祭での準備などで、足場として利用する程度だ。しかしながら、優奈の考えた「椅子」は、授業のためでも足場のためでもない。
「富岡くんの頭に付けられた二箇所の傷が、状況を物語ってくれる」
優奈は、近くにあった椅子を、机から引いてみせた。
「たとえば、椅子の座面にダイイングメッセージが書かれてあったとしたら」
空澄は、今度こそ言葉を失った。呼吸すら忘れかけたほどだった。
「まず、富岡くんを、私名義のラブレターで呼び出す。そして現れた富岡くんの頭を、石で思い切り叩く。そのときにできた傷が、浅い方の傷かな。だって、富岡くんは殴られたあとも、文字を書けるくらいには意識を保っていたと考えられるからね」
優奈は、空澄に構わず喋り続ける。
「殴り倒された富岡くんは、犯人の名前を遺そうとした。しかし床に書いても、犯人が消してしまう。かといって机の裏なんかに書いたら、ずっと見つからない可能性もある。数年後に『落書き』として見つかるかもしれない。どうしようかと悩んでいたとき、椅子が目に入った。椅子の座面は、立っている犯人には机で隠されて見えない。でも明日になれば、その席に座る人が必ず見つけてくれる。そう思ったんだろうね」
空澄の歯ぎしりが響く。歯が割れてしまうのではないかと、優奈は少しだけ心配する。
「まずは『竹田』と書こうとした。しかし富岡くんには『竹本』くんという友達がいる。もし途中で意識が途切れたら、友達にあらぬ疑いをかけてしまう。だから『空澄』という名前の方を書くことにした」
「『空良多』くんもいるでしょ」空澄がようやく反論する。
「アラタという名前なのに、最初に『空』が来るなんて分かるものかな。二人は親しい関係ではなかったようだしね。富岡くんは、『新』の漢字を使うと思っていたんじゃないかな」
空澄は息を荒くする。「それなら、『夜空』くんはどうなのよ」
「渡辺くんなら、遺されたダイイングメッセージは『空』じゃなくて『夜』だよね。普通、最初の文字を書き終えて力尽きたと考えるのが妥当だもの。あだ名が『ソラ』だったら分からなかったけど、渡辺くんは『ヨル』って呼ばれていた。だからその線も消える」
優奈は指の骨を鳴らしながら、更にまくし立てた。
「椅子が二つ使われていたのは、座面と漢字の数を対応させていたからだろうね。そうじゃなきゃ、椅子自体を隠すまでもなく、油性ペンで座面のメッセージをぐちゃぐちゃに塗り潰せばよかったんだから」
「何が、言いたいの」空澄が肩で息をする。荒い呼吸、走る緊張感。
「犯人の名前は二文字ってこと。さて、富岡くんが椅子に書いたダイイングメッセージは、犯人に露呈してしまったと考えられる。犯人は激情して、富岡くんを何度も何度も殴りつけた。それが深い方の傷かな」
ひゅう、と風が吹いて、空澄の髪を揺らした。いつもは艶やかですらりとたなびく髪も、今日は心なしかしっとりしているようだと、優奈はぼんやりと思う。
「じゃあ……」空澄は、必死に論理の穴を探している。「床に書かれた『空』の文字、犯人はどうして遺したのよ」
「気付けなかったんでしょ」優奈が吐き捨てるように言った。「富岡くんは、『空』の字に覆い被さるようにして亡くなっていた。死亡当時、犯人はまだ現場にいたんだろうね。それを踏まえるに、富岡くんは『空』の字を体で隠しながら、こっそり、一画ずつ書いたんだよ。その証拠に、『空』のあとに何かを書いた痕跡がない。つまり『空』を書き終えたときに『これ以上は無理だ。あとは隠すことに専念しよう』と思って、完全に覆い被さったということ。でも徒労だったと思うよ。犯人が『空』の存在に気付いたって、床に書かれた油性ペンは簡単に消えないからね。それよりも、完全に『空澄』と書かれてしまった椅子をどうにかする必要があった」
そのために、机二つがバリケードのために利用されていると見せかけた。もう片方の扉に石を設置して、バリケードがなくてはならなかった、という認識を助長させた。全ては、椅子の存在、そして座面に書かれた名前を隠蔽するために。
「ねえ」優奈が声を和らげる。「高校生のお兄さんがいるって、言っていたよね」
空澄は答えないものの、優奈の記憶にはしっかりと残っていた。月曜日の朝、「お兄ちゃんにも心配をかけてしまったの。高校の勉強も忙しいって言っていたのに」と話していた空澄のことを。
「お兄さんの学ランを着れば、どれだけ目立つような行動をしても、自分が疑われるはずがないと思ったんだよね。なぜなら、姿を目撃されても『男子生徒が不審な動きをしている』と証言されるから。だから、バリケードを作ったあとに、二つの椅子を持って窓から校庭に飛び出すという大胆なことができた」
犯行当時、空澄は学ランを着ていた。現行犯で捕まることさえなければ、自分が疑われるはずがなかった。本来であれば、事情聴取を受けるクラスの男子たちを横目に、空澄は頬杖をつくこともできたのだ。それができなかったのは、全て、あの忌々しい「空」のせいだった。
「学ランの存在があれば、『すぐに帰った』というアリバイも崩せる」優奈は続ける。「まず、あなたは下校して『空澄は帰った』と周囲に思わせる。次に学ランを着て再登校して、堂々と事件現場に向かった。なぜなら学ランは、あなたにとって最高の隠れ蓑だったから。家の立地にもよるけど、家と中学校を往復するのに一時間半もあれば足りるよね。しかも『すぐに帰った』んだから、遅くても五時半には校舎に戻れたんじゃないかな」
空澄は、優奈を真っ直ぐと見つめることができない。
「話を戻すよ」優奈の瞳は、空澄を捉えて離さない。「椅子を二つ持って、窓から校庭に出た。向かったのは校庭の倉庫。昔は技術室だったんだよね。そこで座面と、情報撹乱のために背面も取り外した。座面と背面は、今頃どこかの焼却炉だろうね」
「どうやって座面を取り外したのよ」空澄が問う。「ドリルを使うとしても、大きな音が鳴るわ」
「そのドリルを使ったと考えられる。倉庫にはコンセントがあるからね。音は問題外だよ。サッカー部と野球部の声が、何よりも強力な防音壁だったんだから」
優奈は完璧な解答を用意したつもりだったが、空澄は余裕を演じるように、首を大きく縦に振った。
「それで残ったのが、座椅子の骨組みだけだった。昨日、倉庫で発見した座椅子の骨組みが、ダイイングメッセージの骸だったんだ」不自然な空澄に怯えつつも、優奈は続ける。「進藤くんが目撃した人物は、学ランを着たあなただったということ。さあ、証拠は出揃ったよ。何か反論はあるかな」
空澄は不敵な笑みを浮かべた。もはやこれまで、と観念したわけではなく、むしろ突破口が見えて安心しているようにも見えた。
「黙って聞いていれば、破綻だらけの推理ね」
優奈は気弱になるものの、虚勢だと信じて、鋭い眼光を逸らさない。自分が組み立てた論理に、どこにも綻びはなかったはずだ。
「まず、私がどうやってバリケードを作ればいいのかしら。知っているでしょう。あの机が重いということ。掃除の時間は、いつも竹本くんに運んでもらっているのよ。一つ運ぶことさえ苦労するのに、それを積み上げるだなんて、到底不可能ね」
優奈は反論を試みる。「机を運ぶのを頼むだけなら、誰だってできると思うよ。本当は持てる可能性だってある」苦し紛れの反論だったことを、自分自身で否定できない。
「二つ目」空澄はすっかり自信を取り戻す。「どうして凶器が石なのかしら」
ここにきて、優奈は初めて思考を停止した。空澄のペースになってしまう。
「富岡くんよりも力の弱い私が、殺害方法に撲殺を選んだって主張するつもりかしら。しかも凶器は石。最悪、体格差で負ける可能性もあるのよ。力が強い相手をターゲットにするなら、選ぶのは刃物のはずよね。だって刺しちゃえば、それでおしまいだもの。石の利点なんて、せいぜい証拠隠滅が簡単なことくらいね。しかも、その石は扉に挟まれていたのよ」
優奈は考える。本来の計画だと、石は近くの川にでも流す予定だったのだろう。その計画は椅子によって破綻して、扉に挟まざるを得なくなった。怪我の功名だ。刃物が凶器にふさわしい状況で、あえて石が使われた。竜星よりも力の弱いとされる空澄が、だ。それを覆すような証拠は、事件現場には残されていなかった。
カーテンが揺らめいて、空澄に夕陽が差し込む。それが勝敗を暗示しているようで、優奈はどうも心地悪かった。胃がグルグルと回転しているような気分だ。
「他に何もなければ、私は帰るから」
引き留めようにも、他に並べられる証拠はない。あとは憶測になってしまう。それでは机上の空論、ファンタジーでしかない。違う。これは現実だ。目の前で起こっているのだ。
優奈は考えた。もしも、尊厳のために報復が許されるとするならば。
勝手に自分の名前を使ったラブレターを出された上に、それを破って捨てられた。中学一年生の優奈にとっては、これ以上ない屈辱だ。
竜星を殺害した犯人とは、とどのつまり、優奈の尊厳を踏みにじった相手のこと。
優奈は拳を握りしめる。震わせて、「これは報復なんだ」と何度も呟く。
「ねえ」
震えた声で、空澄を呼び止める。「なあに」とニヤケ顔で振り返ってくる。その表情が、どうしようもなく腹立たしい。
目には目を、歯には歯を。踏みにじられたら、踏みにじりかえしてやれ。
優奈は、精一杯の虚勢と私怨を込めて、目の前の敵に嘲笑を浮かべた。
「スカートなんか履いて、キモいよ。空澄くん」
竹田空澄はトランスジェンダーだと、クラスの誰もが知っている。しかし繊細だから個人として扱ってくれと、担任の松原は口うるさく言った。
個人とはどういうことだろうか。「富岡くん」や「浅野さん」といったように「くん」「さん」を付けて呼ぶのではなく、松原がそうするように、「竹田」と苗字だけで呼ぶことだろうか。
男子トイレに行けば冷やかされるものの、しかし生殖器の相違で女子トイレにも行けず、生徒が限りなく少ない授業中や昼休みの最中に、たった一人で用を足すことだろうか。
優奈は考えた。個人というのは、尊厳を尊重するということ。もしも侵害されたのならば、無法だ。徹底的に戦え、と。
「今、なんて言ったの」
空澄が顔色を変える。聞こえなかったわけではない。ただ単に、優奈の言葉が気に食わなかったのだ。大きな拳を震わせて、優奈にずかずかと歩み寄る。
「言えよっ」空澄が吠える。
空澄が、優奈の首に手を伸ばした。抵抗できない。力が強い。為す術もなく、絞められる。
「空澄くんはずるいって言った」
顔を真っ青にしながら、か細い声で、優奈は呻く。
「そうやって、都合の悪いときだけ男の力を使うんだ。その力こそが、凶器に石を選べて、机も積み上げられたという一番の証拠でしょ」
「黙れ。二度と喋るなっ」首を絞める力が、一層強くなる。優奈を否定すればするほど、自分が男だということを実感するしかなくなる。
「誰かの尊厳を踏みにじってまで、守りたい尊厳なんかクソくらえだよ」
優奈の意識が遠のく。図らずも死を予感する。呆気なかったな、と思う。空っぽになって、魂が抜けてしまったら、もう空っぽを紛らわさなくていい。まどろむような心地だった。
このまま眠るように魂が抜けてしまったら、脳汁がハンバーグみたいにジュワアッと溢れ出して、絶頂するほどに気持ちいいだろうな。内容物も排泄物も、ジャックポットみたいに全部吐き出してしまおうか。きれいさっぱりになって、ああ天国気分で極楽極楽というのも一興だろう。しかし尊厳なんてなくなってしまう。そいつはいけない。とはいっても、わたしには時間も力も足りない。サヨナラのメッセージすら遺せない。
そのとき、急に意識がはっきりとした。思考も正常に戻って、今までの出来事を再読み込みする。確か、自分は空澄に首を絞められていたはずだ。不思議に思っていると、空澄が「離せよ」と地団駄を踏んで暴れていた。誰かが彼を取り押さえているようだ。
「だから危ないって言ったんだよ」
視界は天井にあった。優奈は横たわっており、ふいと体を起こすと、そこには夜空の姿があった。
「頼むから、心配させないでくれ」夜空は涙ぐんでいる。「浅野に何かがあったら、俺……」
空澄を取り押さえていたのは、竹本と松原だ。月曜日の放課後、優奈のことが不安になった夜空は、松原に相談して、優奈の様子を観察していたのだった。
「ストーカーみたいで、ごめんよ。でも、俺がラブレターのことを言わなければ、浅野がこうも躍起にならなかったんじゃないかって思って。責任を感じていたんだ」
優奈は、「こっちもごめんね」と口元を歪ませた。それから、なんだか瞼が重くなってきたので、再び横たわり、束の間の休息をとることにした。
午後六時のチャイムが鳴る。カーテンから差し込む茜色の光が、優奈の顔を照らす。
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