第6話

暗がりの中振り返った先にいる蓮くんの口元は、少し歪んでいるように見える。



「蓮くん?」



どうしたの?今日の蓮くん少し変だよ?

聞きたくても、聞けない雰囲気。



「あれ、誰?」


「え?」


「迎えに行ったとき隣にいた奴だよ」



ゆっくりと私に近づいてくる蓮くん。隣にいた奴と言われて迎えにきてくれたときのことを思い出す。



「あ!あの人は同期の渡瀬くんていうの。今日初めて話したの」


「渡瀬くんね…。でも美鈴は男が苦手だろ?なんであいつとは話せた?」



私の目の前に立って頰を撫でる蓮くんは、初めて見る無表情だった。

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