第4話

「れ、蓮くん?」



グイグイと引っ張られる道は私の家とは反対方向。帰るよと言っていた蓮くんに、私はつい自分の家に送ってくれるものだと思っていた。



でも、今日は金曜日。最近お互いが忙しくて会えていなかった分、今日は一緒に過ごせると思うと素直に嬉しい。



それに蓮くんのスーツ姿も見れた。スタイルがいいからすごく似合ってる。



呑気に蓮くんに見惚れているうちに着いたのは彼の住むマンション。



「今日の飲み会楽しかった?」



今まで一言も喋らなかった蓮くんが、エレベーターに乗って漸く口を開いた。



「うん。やっと私も会社の人達と普通に話せるようになったんだ」



何故蓮くんが今日の飲み会を知っていたかなんて考えずに、私は答えた。

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