第3話

大学卒業と共に付き合いだしてもうすぐ半年記念日。お互い社会人1年目として新しい環境で頑張る中、彼は心の支えになっていた。



大学生の頃と変わらず優しくてかっこいい彼。男性と話すのが苦手で、彼と出会うまで誰とも付き合ったことのなかった私の全てを捧げた人。



「美鈴」



本当に幸せだった。



「蓮くん…!」



彼が私の会社の飲み会に現れるまで、私は本当の彼を知らなかった。



「迎えにきたよ、美鈴。帰ろうか」


「うん!…でも、どうしてここが分かったの?」


「……」



迎えにきてくれたことが嬉しくて、私の質問に答えず手を繋いで歩きだした彼の表情に私は気づけなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る