第2話
「この校舎内を30分間俺から逃げきることができたら、なにもせずに帰してやるよ。けどもし逃げきれなかったら…」
ニヤリと嗤った御影くんを見た瞬間、私は無意識のうちに席から立ち上がっていた。
「い、意味がわかりませんっ!私は…か、帰ります!」
机の横にかけてあったカバンを胸にかかえて扉に走る。
御影くんが怖い。今まで話したことはなかったけど、いつも教室で見かける姿はもっと爽やかな感じだったと思う。なのに、御影くんの瞳に狂気を感じた。
ガタンッ!
「…っあ」
私が震える手で開けかけた扉が、意に反して勢いよく閉まった。そして扉にかかる大きな影。私の顔のすぐ横に伸びた腕。もう片方の腕が私の腰にスルリとまわる。
「まだ話は終わってないけど?」
「み、みか…げくん…。やめ…」
「それとも、もう鬼ごっこ始めたいの?」
腰を屈めた御影くんは背後から囁いた。力の抜けた私の手からカバンが滑り落ちる。ドサッという音を聞いた御影くんのクスリと嗤った声が耳元に響く。
「本当、可愛いな。もう猶予とか与えずに挿れていい?羽咲さんの中グチャグチャにしたい」
「!!」
腰に回った腕に力が入ったと同時に、ブラウスの中に御影くんの手が侵入してきた。抵抗する力が敵うはずもなくじっとりと肌を伝う。
本気だ。御影くんは本気で私を…。
そう理解した瞬間言いようのない恐怖が身体中を駆け巡った。
「あ、あ、まっ…待ってくださ…い」
「ん?なに?鬼ごっこする?」
「え、ぁ…いや…」
「へぇ。羽咲さんて意外と我儘?せっかく猶予あげようと思ったのにいらないんだ?じゃあ今からしようか」
御影くんがそう言った瞬間にブラのホックが外されたのがわかった。
「嫌っ!やめ、待っ…や、やります!鬼ごっこ!」
もうどうしたらいいのか分からなくて、御影くんに懇願する。我儘と言われたことに関しては凄く腹が立ったけど、もう今の現状から逃げ出す方法はこれしか無かった。
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