第17話

「しゅ、くん…?」



微かな足音と掠れた声がして振り返る。



「起こしたか?」



白いシーツを体に巻いて引きずりながら歩いてきたのであろう小春は、多分寝ぼけている。



「なに、してるの?」



俺が隣で寝ていなかったことで不安になった小春に、黒い支配欲が俺の心を蝕んでいく。



「少し電話をしていただけだ」



お前の哀れな父親と。



「そっ、か…。愁くん、寝よう?」


「あぁ。俺の腕の中で安心して寝ろ」



哀れで愛おしい、小春。



その小さな体を抱きしめてキスを落とす。



「んっ…愁、くん…」



うなじに手を通して顔を上向かせて、唇の中に舌を這わせる。そしてゆっくりと確実に小春の喉を目掛けて唾液を送れば、コクリと飲み込んだ。



刹那、小春の中の力が抜け落ちる。



「クッ…」



頰を赤く染め上げ眠ったように目を閉じる小春は、一生俺の腕の中。俺がいないと何もできないように育て上げた、最高に可愛い小春。




「お前は、俺がいないと生きていけないんだよ」

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xx Holic. 甘いみつ @amaimithu

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