第6話
背中と膝裏にまわされた腕に体を持ち上げられ、車から降ろされる。
「俺へのプレゼントを他の男に聞いて、そんなもの貰って俺が喜ぶとでも思ったのか?」
「ごめ…なさい…」
大好きな愁くんを怒らせてしまった自己嫌悪。自分の考えが浅はかだったことを思い知らされた。
それと同時に、どうして愁くんにバレたのだろうと不思議に思う。男の人と話したこともそうだけど、その内容まで知っているなんて思ってもいなかった。
「あとの始末は俺がする。小春はもう寝てろ」
「ん…」
その低い声を最後に私の意識が遠のいていく中で、
「付けておいて正解だった。なぁ、小春…」
不敵に嗤う愁くんを見た気がした。
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