第20話
それから数日の間、白石さんと三島を見ていて分かったのは、押しに弱い白石さんが強引な三島を拒否しきれていないということ。
きっとさり気なく断ってもへこたれないしつこい男なんだろうけど、白石さんにも非はある。
断りきれない弱さがどれだけ男の欲情を掻き立てるか。下心を持つ男について行くなんて馬鹿だ。
ゆっくり時間をかけて俺のものにしようとしていたのに。
…もうその制御も必要ないってことが分かった。
だから俺はあの日、白石さんを犯した。
会社の飲み会が行われた金曜日、白石さんの隣に座り戸惑う彼女のグラスに酒を注いだ。
酒に強くないことは知っていた。
ゆっくり飲もうとする白石さんのことを部長に伝えれば、赤くなった顔でもっと飲めと白石さんを囃し立ててくれた。
それに便乗するように酒を何度も注ぎ、頰を赤く染めて意識が彷徨い始めた頃にひっそりと連れ去るのは簡単だ。
無防備にも酒に酔った女。
その女が好きな女なら男は絶対に抱く。
俺だって例外じゃない。
むしろそうなるように仕向けた確信犯だ。
そしてそれが計画の始まり。
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