第4話
ギシリと軋むベッド。
絡まった足はそのままに、背中にまわっていた腕が顔の両側に置かれ、柏木君が私に覆い被さってきた。
「やっ…」
「嫌?」
恐怖から溢れた小さな拒絶の言葉を拾い上げた柏木君が、グッと顔を近づけてくる。
「今さらですよ」
「っ…」
「昨日の夜、たくさんヤッたじゃないですか」
「んっ…!?」
角度をつけて一瞬だけ重なった唇。
見開いた目から涙が流れていく。
「どうして泣くんですか?」
鼻が触れそうなほどの至近距離で微笑んでいる柏木君から落とされた声はとても低いもので、私の涙を舌先で掬いとった彼の空気が、冷たいものに変わった。
「酒に酔って意識がない間に避けていた筈の苦手な後輩と身体を重ねていたからですか?」
「っ…」
「初めてを俺に奪われたからですか?」
「なっ…」
次々と話される内容に羞恥で顔が熱くなる私とは対照的に、柏木君の笑みが深まっていく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます