第67話

まだ日の昇らない明け方。



体に感じた重みで目が覚めた私は、薄暗い視界に入った優くんの寝顔にビクリと体を震わせた。



私、また寝ちゃったの…?



つい数時間前にも目覚めたこの部屋で、今度は優くんに抱き締められるようにして横になっていた。



「…っ」



すぐ目の前にある唇に、体温が上昇する。



意識を手放す前のことを思いだし、そこから離れるように胸板を押すけど、絡まった腕はピクリとも動かない。



それならばと、体を下にずらしてすり抜けようとすれば、突然腕に力が加わった。




「きゃっ、…ぁ、んっ!!」




うなじに差し込まれた手に顔を持ち上げられて、開いた口の中へ舌が入ってくる。室内に響くイヤらしい水音に反射的に瞳を閉じた。




昨日と同じそれは、簡単に呼吸を奪っていく。




「やぁ…」




強く密着するように押さえつけられ腕を振るうこともできず、クチュリと舌を吸い上げられた。

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