第42話
ジワリと涙が滲む。
こんな所で泣き虫を発動するなんて絶対ダメなのに、視界は徐々に歪んでいく。
泣いちゃダメ…。
隣には永瀬くんだっているのに。
人に嫌われることが怖い私は、こんな小さな相手の変化で怯えて本当に情けない。
『明日、俺Lamp行くよ。綾ちゃんも来る?』
少しの沈黙のあと落とされた言葉に、相手には見えもしないのに何度も頷いた。
「うんっ、い、行く…」
誤魔化しきれず震えてしまった声で小さくそう言えば、クスクスと笑う。
『絶対だよ?……待ってるね』
耳にこびりつくような甘ったるい声を最後に、通話は切れてしまった。
「あっ!そこの、お花屋さんの横にあるアパート…」
「ん?あー、あれね」
突然声を上げた私に驚くこともなく、永瀬くんは静かに車を停めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます