第41話

な、なんだろう、凄く鼓動が速くなってるし、心なしか頬も熱くなってきた。




「あ、明日カフェ…」


「春田」



スッと伸びてきた手が私の手首を掴み、携帯が少し離れる。




「次どっち進めばいい?」


「あっ、ごめんさ…右折ですっ…」


「了解」




私の返事が敬語になってしまったからか、笑って手を離した永瀬くんは、片手でハンドルを回す。



家まで送ってもらっているのに、その隣で長電話はやっぱり失礼だったかな…。



優くんに、明日はカフェに行くことを伝えて電話を切ろう。優くんの予定がなければ会えるかもしれないし。





『…ねぇ』


「あ、ごめんね、あのね」


『バスじゃないの?』


「え…?」


『今仕事帰りでしょ?』


「あ、よ、よく分かったね…」




冷たい声音に喉が詰まる。



さっきまでは柔らかい雰囲気だったのに、突然の変化に戸惑ってしまう。



永瀬くんと話す間放置してしまったから、それが嫌で怒らせた…?

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