第33話

最近の高校生はみんな、こんなにもスキンシップが激しいのだろうか。



緊張から固まってしまう。



そんな私を相変わらず見下ろしたまま、口角がクッと上がった。




「さっき敬語に戻ってたよ」


「え?」


「気をつけて」




それだけ言ってレジへ向かった優くんは、奥山さんにカードを渡してお会計をしてしまった。




「バス停まで送る」




振り返った彼に手を取られ店の外へ出れば、夏の終わりを感じる風が肌を撫でていく。




頬に残った熱。


ドキドキと鳴る胸。



…優くんは、女性慣れしすぎてる。





「あ、ありがとう。今度は私に払わせてね」




繋がれたままの手を意識しないよう見上げれば、背の高い彼もこちらを見ていて。




ありがとう、と目を細めて微笑んだ。

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