第29話
優くんの言う男慣れというものが、正直よく分からないけど、すべての男性と対等に接することが出来るかと聞かれれば答えはノー。
実際、大学生の時から社会人なった今でも友人と呼べる男性は永瀬くんしかいない。
それでも、たまに緊張するし。
「そう、かも…」
真面目な顔つきになった優くんに戸惑いながら、私は頷いた。
な、なんで私こんなこと話してるんだろう…。
変な汗が流れてきて、それを隠すように甘いレモンティーの入ったグラスを掴む。
「じゃあ、この前繁華街で一緒にいた男は誰?」
ストローにつけた口がそれを吸い上げる前に、また質問を投げかけられる。
「え?」
は、繁華街?
「随分と仲の良さそうな感じだったね」
少し低くなった優くんの声に思考を巡らせる。
私が繁華街に行ったのは、永瀬くんにお洒落な居酒屋へ連れて行ってもらったあの日だけ。
あの時、優くんも夜の繁華街にいたってこと?
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