第27話
「お勧めの本持ってきてくれた?」
「あっ、も、持ってきたよ…!」
昨日悩みに悩んで決めた本を差し出せば、ありがとうと言って受け取ってくれる。
表紙を眺め、パラパラと数ページめくった優くんは、笑顔で顔を上げた。
「家に帰ったらゆっくり読ませてもらうよ。だからさ、」
「あっ、」
さっきまで私が読んでいた本が奪われる。
「今日は俺とお話ししようよ」
頬杖をついた優くんに顔を寄せられて、その近さに頬が熱を帯びていく。
「フッ。綾ちゃんってすぐ顔赤くなるね。男慣れしてないの?」
「えっ!いや、そんな、えっと…」
視線を外すよう咄嗟に俯いて熱くなった頬を髪で隠す。
男慣れしてないとか、そんなの高校生の男の子に言われるなんて恥ずかしい。熱くなってる頬を誤魔化すように否定した言葉だって嘘ってバレバレだと思う。
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