第18話
チラリと奥山さんの方へ視線を送れば、派手な髪色をした2人の男の子はカウンター席に座っていて、なにか話している様子だった。
「どこ見てる?」
「え、」
目の前の席に座り頬杖をつきながら私を見つめる彼は、4日前に道端でぶつかってしまった人。
「俺の名前覚えてる?」
「あ、えっと…」
珍しい名前だったから覚えてるけど、彼の纏う空気と黒曜石のような瞳が私の思考を惑わし、喉が詰まる。
「伴城くんっ、でしたよね…」
「優でいいよ」
目を細め微笑む彼は、制服を着ていなければ高校生には見えなくて、私の方が年上なのに、その落ち着いた雰囲気に呑まれてしまいそう。
そのまま暫く見つめられ、どうしようかと視線を彷徨わせていれば、彼の手によって再びアイスコーヒーが視界から消えた。
「これ、甘すぎない?甘党なの?」
ストローでカラカラと中を掻き混ぜながら言われ、私の視線はアイスコーヒーへ向く。
「シロップひとつだとまだ苦くて…」
「へぇ。綾ちゃんの口はお子ちゃまなんだね」
意地悪く笑う彼は、楽しそうにそのアイスコーヒーを口にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます