第16話

そして、待ちに待った月曜日。




「はい、ケーキとアイスコーヒーです」



テーブルに置かれたトレイを見て、相変わらず頬が緩む。



「ありがとうございますっ」


「はは。ごゆっくりどうぞ」



3日ぶりのケーキを頬張ると、レモンソースと濃厚なチーズが口の中いっぱいに広がる。




やっぱり美味しいっ!と感動しながらバックから本を出そうとした時。




「お疲れ様っす、奥山さん!」



陽気な声が店内に響き渡る。



びっくりして視線を向ければ制服を着た男の子3人が、こちらに背を向けた状態で奥山さんの方へ歩み寄っていた。



「お前らっ…」



酷く驚いた表情で大きな声を出した奥山さんは、私と目が合うとハッとして口元を押さえた。



その罰が悪そうな表情にサッと視線を逸らす。




あのまま見つめてはいけない気がして、会話を聞いてはいけない気がして、何故かドクドクと速まる鼓動を落ち着けるために、シロップを2つ入れた甘いアイスコーヒーを飲んだ。

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