3
第16話
そして、待ちに待った月曜日。
「はい、ケーキとアイスコーヒーです」
テーブルに置かれたトレイを見て、相変わらず頬が緩む。
「ありがとうございますっ」
「はは。ごゆっくりどうぞ」
3日ぶりのケーキを頬張ると、レモンソースと濃厚なチーズが口の中いっぱいに広がる。
やっぱり美味しいっ!と感動しながらバックから本を出そうとした時。
「お疲れ様っす、奥山さん!」
陽気な声が店内に響き渡る。
びっくりして視線を向ければ制服を着た男の子3人が、こちらに背を向けた状態で奥山さんの方へ歩み寄っていた。
「お前らっ…」
酷く驚いた表情で大きな声を出した奥山さんは、私と目が合うとハッとして口元を押さえた。
その罰が悪そうな表情にサッと視線を逸らす。
あのまま見つめてはいけない気がして、会話を聞いてはいけない気がして、何故かドクドクと速まる鼓動を落ち着けるために、シロップを2つ入れた甘いアイスコーヒーを飲んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます