第15話
あのカフェは初めて見つけた落ち着ける場所で、正直、私のことを知ってる人に教えるのはなんとなくモヤッとして。
「な、内緒っ…!」
悩んだ末にそう答えた。
だけど言ってすぐ、この答えは相手に失礼だったと思い視線を落とすと、永瀬くんは声をだして笑い出す。
「秘密の場所ってワケね。了解了解」
「あの…」
「俺にも知られたくない事ってあるから。そんな申し訳なさそうな顔するなって」
「う、ん…ありがとう」
私の発言に気を悪くした様子はなく、穏やかに振る舞う永瀬くんにホッと胸を撫で下ろした。
それからは仕事の話や大学時代の友人の話をしたりと、初めてだった2人でのご飯を楽しく終えることができた。
「ごめんね永瀬くん、ご馳走様です…」
「おう。今日付き合わせたの俺だしな」
お会計は私がお手洗いへ行っている間に永瀬くんが済ませていた。
少し酔いのまわった永瀬くんと暖簾をくぐり外へ出て大通りまでを歩くけど、こんな時間になっても人通りは多い。
ギラギラとしたネオンは、やっぱり私には怖く感じた。
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