第3話

それからはケーキとミルクティーを堪能しつつ、本に没頭していた。




もともと座席数の少ない店内には私以外のお客さんは数名ほどで、タブレットを使い仕事をしている人や、私のように本を読んでいる人など。




静かな空間についつい時間を忘れてしまう。




と、その空間を裂くようにバッグに入れていた携帯が着信音を奏でた。



あっ!マナーモードにするの忘れてた…!



焦った私は、相手も確認せずに慌てて通話ボタンを押した。




「もしもし…」


『あー春田?』


「う、うん。どうしたの?」




電話の相手は会社の同期であり、同じ大学出身の永瀬 隼斗くんだった。




『明日金曜だろ?だから久々に同期会やろうって話あがってて…来れたりする?』




少し遠慮がちに聞いてくる永瀬くんは、私の答えを分かってる。

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