"お肉を付けていく話"
骨にお肉を付けていく。
これをやっていきます。
骨組みとは『ストーリー上で目的に向かうための流れ』ですね。
お題(題材)は最初に決めても後に決めてもいいです。
今回は最初に決めてしまいましょう。
では簡単に今流行りの『転生して最強でした』というものを題材としてやっていきます。
**本筋となる骨組みを決める**
今は数えきれないほど沢山の作品があり、骨の形は様々です。
ただ基本的に突き詰めるとシンプルで、昔から作りはほとんど変わりません。
それをわかって頂くため、今回は"桃太郎"という作品の骨組みをパクっ……参考にさせて頂こうと思います。
みなさんは、この"桃太郎"という作品はご存知でしょうか?
○桃太郎の簡単なストーリー
あるところに老夫婦が住んでおりました。
おじいさんは山に芝刈りに、おばあさんは川に洗濯に行きます。
ある日、おばあさんが川で洗濯をしていると、大きな桃が流れてきます。
おばあさんは桃を持って帰り、おじいさんに見せると、突然に桃が割れて赤ん坊が出てきます。
2人はこの子供に"桃太郎"と名付けて育てます。
桃太郎はすくすくと成長し、日本で一番強い少年に成長しました。
ある日、旅の人から人々を苦しめている鬼と、その鬼が住んでいるという鬼ヶ島の話を聞きます。
正義感が強い桃太郎は鬼を倒すため、鬼ヶ島まで旅に出ることにします。
旅の途中、犬、猿、雉が仲間になり、あっいう間に鬼ヶ島に辿り着きました。
そして皆が協力し合って鬼のボスを倒しました。
****
簡単に書きましたが、ここからお肉を取って"骨"だけにしてしまうと、
「最強の主人公が強い敵を倒すため旅に出る。途上、仲間が増え、最後は協力して強い敵を倒す」
という感じですね。
こう見ると、よくあるストーリーです。
これを軸に『転生したら最強でした』で考えていきましょう。
***まずは最初と最後から決める***
これは創作論の第一回目でやりましたね。
まずは冒頭と結末を決めるところから始めます。
簡単なもので大丈夫。
「主人公は転生後、あっという間に最強になり、世界の最果てにいる魔王を倒す」
こんなもんでいいでしょう。
注意点としては"必ずこの通りにする"こと。
骨組みはストーリーの根幹であるため、これがブレると何がしたい作品なのかわからなくなります。
***ここから適当に肉付けしていく***
先ほど決めた骨組みに肉付けしていきます。
慣れたらめちゃくちゃ早くできますし、さらに突き詰めて考えていけば、決めた後でもすぐに「ここを変更しようかな」などの応用ができるようになってきます。
○簡単な冒頭から結末に至るまでの流れ
①主人公(Aさん)は転生して、ここがどこだかわからない。←{説明役として桃太郎でいうところのお爺さんとお婆さんを登場させる。
ここでは優しい剣の師匠(Bさん)とします。
②優しい師匠のBさんから剣術を習ったAさんは、その才能から世界最強の剣士になる。←{Aさんは転生前に何か剣術をやっていて強かったというバッグボーンを持たせる。
③ある日、"旅の人"がAさんBさんのもとに現れる。←{旅人はBさんの知り合いで、傷ついて登場がいいかな?ここで最初の戦闘と世界の情勢を知る。
④Aさんは正義感から、世界の最果てにいるという魔王討伐に旅に出ることにする。←{師匠のBさんは強いけど、病弱設定などを加え、旅に一緒に行けないという理由づけをする
⑤Aさんは旅の途中で3人の仲間と会う。←{それぞれ違う町で1人づつ。出会うと魔王の情報を聞いていく。仲間たちは元々、魔王の手下だったがいいか?
(※ここは構造分解する
⑥Aさんは仲間と共に魔王のもとに辿り着いて倒す。
______
といったところでしょう。
①の時点でもいいですが、ここで第一回目にやった"結末は冒頭へと戻る"というテクニックを入れます。
"魔王は師匠のBさん"
理由は後から考えますが、これくらいぶっ飛んだことをやったほうがいいでしょう。
伏線は仲間になる魔王の元手下からの情報とし、Bさんと明確には書かず、あくまで曖昧に匂わせる程度。
「魔王は残虐で人の心など到底ない。どれだけの人間を惨殺したかはわからず。その無慈悲な"剣術"には誰も敵わない」
など。
ありきたりでバレるんじゃないか?という方もいると思いますが、
"それでいいんです"
突拍子もないような出来事だと人は冷めてしまいます。
なので想像できる程度のもので、できれば悪い出来事をラストに持ってきたほうが心に残りやすいですよね。
私はハッピーエンドしか書かないので、最後のネタバラシが悪い出来事だったとしても、気持ちよく終われる作品づくりをするというのは心がけております。
****
今回は簡単は骨組みから簡単な肉付けをやってみました。
私はここまで10分ほどで考えます。
時間が掛かるのはここからですね。
次回は⑤の場所に書かれてある※のメモ部分。
"構造分解する"について説明していきます。
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