"ストーリーの骨組みの話"


まずはじめに


**起承転結の話はしない**


起承転結は小説を書く上で必要とされる要素ですよね。

シナリオを学ぶ学校では必ず授業でやります。

ストーリーを作る上で必要なのだと。


はじまりは中国で起句、承句、転句、結句として構成された絶句が日本に伝わり、起承転結として日本人にも浸透したというものですが……


そんな話はどうだっていい。

なにせ私はほとんど気にして書いたことはないから。


起承転結ってなんか漠然的としてませんか?

言われてもいまいちピンとこない。


そこで私が考えるストーリーを構成するためにする最初の段取りである"骨組み"というのを紹介していくというのが今回のお話です。



**骨組みとは**


"骨組み"とはストーリー構成のための根幹となる土台です。

肉付きされていない、まっさらなもの。


しかし普段はストーリー(お肉)に隠れていて目には見えない。



わかりやすい例を出します。


例①

「宇宙戦艦ヤマト」


○簡単なストーリー○

地球はガミラス帝国の侵略を受け、放射能汚染で地上の生物は死滅。

人類は地下都市を作ってそこで暮らすも、地下にも放射能汚染が広がっていた。

人類滅亡まであと一年。

そんな中、外宇宙から宇宙船が火星に不時着し、通信カプセルが回収される。

それはイスカンダル星から地球に宛てた、「放射能除去装置 コスモクリーナーDを受け取りに来るように」とのメッセージと、外宇宙航海に必要なワープを可能とする波動エンジンの設計図が納められていた。

人類はコスモクリーナーDの受領のための宇宙戦艦「ヤマト」として完成させ、はるか宇宙へと旅に出る。



****


というものですね。

みなさんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

ストーリー自体が歌の歌詞にもそのまま書いてますからね。


これはストーリーとして"肉付け"された状態のものです。


ちなみに、このお肉を取っ払って"骨"だけにするとこうなります。


『問題を解決するため、はるか遠くにある、問題の打開策を取りに行く』


もっと噛み砕くと、


『はるか遠くにある何か凄いものを取りに行く』


となります。



もう一つ例を出します。



例2

「最遊記」


○簡単なストーリー○

唐という国に三蔵法師というお坊さんがいました。

彼は中国からインドまでの長い道のりを旅します。

目的はインドにある大切な経典です。

しかし旅の道中には魔物がいっぱい。

そこで旅の途中で出会った孫悟空、沙悟浄、猪八戒と共に力を合わせてインドを目指していくファンタジー。



****


というものです。

こちらも有名な作品なのでストーリーは知ってる人は多いと思います。


これも肉付けされたストーリーですね。


この作品の"骨組み"はこうです。


『はるか遠くにある、大事なものを取りに行く』


となります。


この二つの作品はストーリーが全く違います。


"宇宙戦艦ヤマトはSF"

"最遊記は中国の昔話"


しかし根幹は一緒だということは、ここまで読むとわかると思います。


どちらも『はるか遠くにある大事なものを取りに行く』というもの。


つまり、この根幹たる"骨組み"を考えることで芯の通ったストーリーが自ずと作れるということです。

逆に骨組みを考えなければストーリー(お肉)だけで"へにゃへにゃ"になり、何をやってるのかわからないものになってしまいます。


この『はるか遠くにある大事なものを取りに行く』というのは他の作品にもよく見られます。

特に最近で人気な作品であれば"ワンピース"などが当てはまりますね。


まとめるとストーリーの根幹たる"骨組み"というのは、言わば物語上の"目的"なのです。



**他作品を見て骨組みを理解する**


他の売れている作品は骨組みが必ずあります。

ないものは、ほぼ無いと断言してもいい。


まずは有名な作品をいくつも見てみて、どの作品にも"骨組みがある"というのを理解していきましょう。


これが見えるようになると、自ずと自分が作る作品にも組み込めるようになるはずです。



次回は他の有名な作品の骨組みをパクっ……参考にさせて頂いて簡単なストーリーを考えてみます。

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