第18話 他の宇宙の惑星への思いもよらない移住方法
「今までのあらすじ」
私の名前は鈴木愛衣(あい)、女性。今井昭(あきら)、男性と結婚している。昭はAI(人工知能)の研究をしている。この世界は科学技術が発達していて、AIに支配されている。何をするにもAIにたよりすぎているのだ。
愛衣は大統領のZ(SNS)のポスト(投稿、つぶやき)に、「AIを使っていると人間が自分の意思でしっかり考えて行動できなくなるのでAIを禁止にするべきだ」、という返信をしたのだった。
「第18話 他の宇宙の惑星への思いもよらない移住方法」
愛衣は大統領からの返事がなかなかこないので、また新たな書き込みをした。次に書いたのは「違う宇宙の人間が生活できる惑星への移住の提案」だ。このアース星は人間が住める環境ではなく、科学技術でどうにか生活しているが、こんな生活が今後も続けていく事は難しい、という事を書き込んだのだった。これもどうせ返事はかえってこないだろう。愛衣はそのように考えていた。ところが、しばらく経ってから大統領がとんでもないことを発表したのだった。
大統領は全世界に向けて、次のように発表した。
「This planet is too cold.Humans should move to other planets.」
大統領は、他の宇宙の他の惑星に移住する事が本当にできるのか試すために、全世界から数人を先行して移住させる事を発表したのだ。
昭はこのニュースをみて言った。「ものすごい事になったな」
「本当に、びっくりした。もしかして、私の書き込みを見て発表したのかな」愛衣は昭に言った。
「タイミング的には、その可能性はわりとありそうだけど、元から大統領が考えていた事なのかもしれない。君の所には返事はきたのかい?」昭は愛衣にきいた。
「きてないよ」愛衣はこたえた。
「ところで愛衣は違う惑星への移住の先行体験みたいなものに申し込むつもりか?」「抽選で落ちそうだけど申し込もうと思っている。」愛衣はこたえた。
「抽選倍率はすごそうだな」「そうね。たぶん落ちると思うけど、ダメ元で申し込んでみる。また大統領の気まぐれで、当選するかもしれない・・」愛衣はこたえた。
数か月後、他の宇宙の惑星への移住の先行体験みたいなものの申し込みが開始された。ものすごい数の応募が世界中からあったが、移住を不安に思っている人もいて、想像よりは申し込む人は多くはなかった。
昭は移住のニュースを見ながら、いつものように愛衣とリビングルームでしゃべっている。 「もうすぐ結果発表される時期だな。不安はないかい?」昭は言った。
「まだ、結果発表されてないから、別に・・・。でも、本当に技術的に移住はできるのかしら」愛衣は言った。
「どうなんだろうね。自分もAIの研究はしているけど、今回のニュースの発表をみて移住の方法にびっくりしたよ。」昭は言った。
「そうね。こんな方法は、私の国では考えられない。他の宇宙の他の惑星に宇宙船を使って人間の体を運ぶのは難しい。他の宇宙への移動の時間もかかり、人間の寿命をはるかに超えてしまう。それを解決するために、人間の心(魂)だけを、他の宇宙の惑星の生まれる前の赤ちゃんの中へ移動させるっていうんだから・・」愛衣は本当かよと思いながら昭に言った。
「本当に・・・。そんな事が大統領の国の人達はできるのだろうか・・。かなり疑問だね。SFの世界ならできるかもしれないけど・・・」昭は半信半疑で言った。
(続く)
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