第10話 私の名前の由来
「今までのあらすじ」
私の名前は川原知人(かずひと)、男性、大学教授である。私は大学で学生に哲学を教えている。そんな私はよく同じ夢をみる。夢の中では私は女性で名前も変わり、鈴木愛衣(あい)。工学部航空宇宙工学科の学生である。夢の中の世界は科学技術が発達していて、船が海の上を飛んだりしている。
私(川原)は、夢でみた海の近くの丘の上に、現実世界から行けるのではないかと思い、その場所をさがすことにした。しかし、場所を特定するてがかりかりは少なく、はっきりとした場所はよく分からない。最初に候補として見つけたのが千葉県の南東部だった。
「第10話 私の名前の由来」
駅の北側に行くと、オートキャンプ場があった。そう言えば、キャンプするアニメが今、流行っているという事を私は思い出した。私はキャンプの知識はそのアニメの知識くらいしかなかったので、「オートキャンプ場」が何か分からなかった。
調べてみると、「オートキャンプ場は、サイト(区画)がはっきりと決められている」事を知った。サイト内に車を停める事ができるので荷物を運ぶのも楽らしい。一方、普通のキャンプ場は「フリーサイト」で、「サイトが区画整理されているわけではなく、エリア内のテントスペースに自由にテントを張ってキャンプを行う」らしい。
「車もサイト内には停められない」ので、荷物の持ち運びが大変である。
オートキャンプ場では施設は充実していているが、フリーサイトはそれに比べると充実していない事が多いようだ。これだけきくと、オートキャンプ場の方が良さそうだけど、料金はオートキャンプ場の方が高そうだ。
ここのキャンプ場は、ホテルに併設されているキャンプ場で、AC 電源付きサイトで、場内施設は炊事棟、水洗トイレ、温水シャワー、風呂、BBQ場、レストランなどがあった。これだけきくと、施設が充実していると思うかもしれないけど、ここのキャンプ場はオートキャンプ場というわりには、最低限の施設しかなかった。
でも、私はキャンプをしに来たわけではないから別に良いかと思ったのだった。
「丘に行く」とか言っていたけど、私はせっかく千葉まで来たので、観光したくなってきてさらに北にある水族館「シーワールド」に行く事にした。私は意外と水族館に行くのが好きで、わりとよく行っている。水族館で環境問題から「人間とは何か」を考える「環境哲学」について考えたりしている。
それを考えるために「人間が魚などの生物と異なる点は何か」という事をよく考えている。それは人工的な環境をつくりだす能力を持っているかどうかである。人間は道具などを作ったり、AI(人工知能)まで作り始めた。私は特にAI(人工知能)は専門外だが、強い興味があるのだった。私は常に、人工知能に何か自分が深い関わりがあるような気が漠然とするのだった。そう言えば、私の名前は「川原知人」。名前に「人口知能」という単語に含まれる「人」と「知」の文字が入っているではないか。何か関係があるのだろうか、それとも偶然なのか、今さらながら気になったのだった。
(続く)
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