第9話 エタンの海
(今までのあらすじ)
私の名前は、川原知人(かずひと)、男性、大学教授である。
そんな私は同じ世界の夢をよくみる。夢の中で私はなぜか女性になり、名前も変わり、鈴木愛衣(あい)になる。
夢の世界は科学技術が発達していた。そして太陽が2つあったり、おかしな点も多い。
私は、夢でみた丘があり近くに海がある、夢でみた場所へ行けるんじゃないかという現実離れした事を考え、実際に行く事にした。そこは千葉県の南東部だった。
「第9話 エタンの海」
私は海の方へ行った。海の水はとても綺麗で透明だった。どうやら海水浴場のようだ。海水浴をしている人も数人いた。釣りをしている人もいた。
7つの島が近くにあり、太平洋が広がっていた。
ここは「鉱物採集のガイドブック」に記載されている場所で鉱物がよく採れるらしい。「方沸石(ほうふっせき)」「ソーダ沸石」などがたくさんあるっぽいけど、私には鉱物の知識がほぼないので「何かキラキラしていて綺麗な石」だなという小学生並みの感想しかなかった。方沸石は条痕(じょうこん)は白く、ガラス光沢がある。
ソーダ沸石は、条痕は白色で、結晶は針状だった。
私はソーダ沸石が見た目が綺麗で気に入った。白色の針状になっている所が、この世のものとは思えない程、綺麗で見た目が気に入った。
とても綺麗で透き通っている海の水を見ていると、そういえば夢の中では海は水で、できていなかったのを思い出した。
夢の中で私は学校の授業を受けており、そこで先生に言われた。
「皆さんは海は何でできているか知っていますか?海の液体の成分は何でしょうか?」
先生は学生達に問いかけたのだった。
「答えはエタンです。エタンの雨が降り、摂氏マイナス180度になる事もあります。この温度だとエタンは気体ではなく液体になります。」と言っていた。
そう言えば、私達は寒さは最新のテクノロジーでどんなに周りの気温が寒くても、全く寒さを感じないようになっているのだ。
私はノートのメモを見ながら、
「海の液体が水ではなくエタンなんて、めちゃくちゃな世界だな。気温も低過ぎでしょ。」
と思った。私の夢は、どうかしている。
私の夢の世界は、太陽が2つあったり、ところどころ現実ではありえない事があるけど、共通の部分も多く、全くの空想の世界とは思えないリアルな所が多かった。
私は海もじっくり見れたし綺麗な鉱物も見れたので、次は夢で最初の頃にみた丘の上の場所へ行く事にしたのだった。
(続く)
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