第7話 夢の世界への行き方
「今までのあらすじ」
私の名前は川原知人(かずひと)、男性、大学教授で大学で哲学を教えている。
そんな私は夜、同じ世界の夢をみる。夢の中で私は女性で名前は鈴木愛衣(あい)、工学部航空宇宙工学科の学生である。
夢の中は未来の世界っぽい感じで科学技術が発達している。
この世界は、視聴者参加型ドラマとかいう訳の分からないものなどがあり、私はそれに、なんとなく参加したのだった。
「第7話 夢の世界への行き方」
台本がなく、設定だげで即興で演劇をする事を「エチュード演劇」というらしいが、今回の視聴者参加型ドラマを即興でしているので「エチュードドラマ」とでも言えば良いのだろうか。
何もかも初めての人が多く、超gdgdな感じでドラマは終わった。
結局、犯人は誰で、どういうトリックか使われたとか気になる人がもしかしたらいるかもしれない。しかし、夢の世界の話なので、正直、思い出そうとしても思い出せないのだ。たぶん、あんまり覚えていないけど、たいしたトリックもなかったと思うから、この話はこれで終わろうと思う。
この夢の世界は、ゲームの世界に入って、実際に冒険したりする事もできる。VRゲームの進化版である。王道ファンタジーの剣と魔法の世界で、火、地、水、風みたいな4つの属性があったり、戦闘に負けると現実社会の貯金が半分になるとかそういうのもあるのだ。ゲームの世界の中で死んでも、現実世界で死んだりはしないのだが、限りなくリアルに近い体験ができるのだった。
でも、夢の世界でさらにゲームの中で冒険したりしていると、どんどんどれが現実なのかよく分からなくなってくるのだった。
私は目を覚ました。なんとなく、夢の内容を覚えている。
夢の中では今のところ、現実での記憶を思い出す事はできない。
私は夢の出来事を覚えている範囲でノートに書いた。こういう夢の内容をノートに書いていくと、いろんなアイデアを思いつくようになるらしいと、どっかの国のどっかの大学か何かの研究結果であるらしい。何もかも曖昧な情報である。
メモした内容をあらためて見ていると、わりと覚えている事に気付いた。何か現実世界の事より熱心にメモしているせいか、現実世界の記憶のようにさえ感じる。
メモには、「未来の世界っぽい」「船が海の上を飛んでいる」「スマホが服に内蔵されている」などと書いてある。私はそのメモした内容を見て、何かひっかかる事があるなと思った。しかし、それが何かは、はっきりしなかった。
ノートには「丘の上に立っていた。丘の下には海がひろがっている」と書かれているのをみて、何か現実世界にありそうな場所だなと思った。この場所に私は現実世界から行ってみたくなった。私は「夢の世界の場所になんて行ける訳ないよな」と自分でもどうかしていると思うけど、なぜか行けそうな気がして、行く事にしたのだった。しかし、あまりにも情報がなさすぎて、どうすればその場所に辿り着けるのか見当もつかなったので、困り果てたのだった。
(続く)
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