第4話 夢日記は危険?
(今までのあらすじ)
私の名前は川原 知人(かわはら かずひと)、男性、大学教授である。大学で哲学を教えている。
私は夜に同じ夢をみる。夢の中で私は女性で名前は鈴木 愛衣(すずき あい)。
工学部、航空宇宙工学科の学生である。夢の中では科学技術が進んでいて、空中を歩けたり、船が海の上を飛んだりいたりしているのだった。
「第4話 夢日記は危険?」
私は夢で見た事を必死に思い出しながら枕の上に置いておいたノートにボールペンを使ってメモをした。夢の内容は、なぜか目が覚めた途端に記憶からすぐに消える事が多い。私が夢の内容を必死にメモをしようと考えたのには理由がある。それは、自費出版で趣味で小説を書いているからだ。小説の新しいアイデアを思いつくのはなかなか難しい。しかし、夢の内容を参考に書けばわりと書けるのではないかという事に気付いたのだ。私はSFっぽい夢とかをよく見る。目が覚めている時には絶対、思いつかないようなすごい未来の世界の夢をよくみるのだ。これを小説に書けば、めっちゃ面白い小説が書けるんじゃないかと思った。しかし、目が覚めた時に夢の内容を思い出さそうとしてもほとんど覚えていないのだ。「何かすごい未来の世界の夢を見た。すごいワクワクする世界だった。」という程度の事を漠然と思い出す事しかできなかったのだ。細かい設定は全然、思い出せなかった。私はそういう経験を何度かした。夢の内容をノートに書くことを「夢日記」と言うらしいが、私はそれをする事にしたのだった。
夢日記について調べると、「危険」と言われている事を知った。いろいろ理由はあるが、「睡眠が浅くなり、疲れが取れない。」、「現実と夢の区別がつかなくなる。」というものがあるらしい。
個人的には「睡眠が浅くなる。」というのは、仕事の関係上、不規則な生活をしていて眠る時間が一定じゃないという方が大きい気がする。特に夢の内容をメモするようになってから、睡眠が浅くなったという実感はない。
危険と書かれた本には明晰夢(めいせきむ)をみるようになるからという理由が書かれていたが、夢日記を書く前から明晰夢はたまにみることがあって、夢の中で「これは夢だな。」と気付く事はたまにあった。
「現実と夢の区別がつかなくなる。」というのは最近、感じる事がわりとある。目が覚めた時に、「これは現実なのか。」と思う事があるのだ。
そして、夢と現実の区別がつかなくなるという話とは少し変わるけど、「夢の世界の方が楽しい。」と感じる事がたまにあるのだった。
夢日記を続けていって、どんどん書き込みが増えてきた。違う日に同じ世界の夢を見ている事に私は気が付いた。
現実と夢の世界は共通の部分も多かったが、あきらかに違う事があった。科学技術はあきらかに夢の世界の中の方が進んでいた。しかし、世界のあり方はあきらかに、この世界とは異なっていたのだ。
(続く)
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