第3話 この世界は管理社会
「今までのあらすじ」
私の名前は川原 数人(かわはら かずひと)、男性、大学教授である。哲学の研究をしながら、大学で学生に哲学を教えている。
そんな私はよく夢をみる。夢の中では私は女性で、名前は鈴木 愛衣(すずき あい)。工学部、航空宇宙工学科の学生である。
「第3話 この世界は管理社会」
川原知人は、哲学者だ。哲学の研究をしている。何を研究しているのかというと、フランスの哲学者ジル・ドゥルーズ関連の研究を幅広くしている。少し前に、ドゥルーズの翻訳された著作がブームになり、ドゥルーズの本を読んでいると何かカッコイイという時代があった。そんな時に、ドゥルーズの本を読むようになり研究を始めたのだった。
私は、ジル・ドゥルーズの表した「管理社会」というのに注目している。私達は自由に行動しているつもりだが、常に「管理」されている。学生は授業に出席して、テストを定期的に受けないといけないし、大学教授の私は、哲学の授業を大学生相手に定期的にしないといけない。管理される事は時代が進むごとにどんどん増えていく。私達の自由はどんどん科学技術等がが発達していくごとに、なくなっていくように思われるのだった。
そんな私は、息抜きに夜、星空を眺めている。星空をみるとリラックスして、仕事の精神的疲れもましになる。
天文学の知識はあまりないので、星空をみても、どの星が何という名前とかあまり知らない。でも、いくつか知っている星もある。私は最近、星空を見ていると何か違和感を感じる事が増えている。何か昔みた星空と違う気がするのだ。気のせいかもしれないが、私は時々そんな事を考えてしまうのだった。
いろいろ考えたら少し疲れて眠くなってきたので明日の授業の準備をして、今日も早めに眠る事にした。
場面変わって、鈴木愛衣は丘の下の海の近くを散歩している。海水は、ものすごく綺麗で、すきとおっている。散歩をしていると気分が良くなる。
海の方を見て、「海水の温度は何度かな」と心の中で思うと自分の視界の左上に「海水の温度20度」という文字が表示される。これは便利な機能だ。これは服に内蔵されているスマホの機能で、外国語の翻訳をリアルタイムでできたり、いろいろな事を調べたりできるのだ。スマホで場所を調べたりもできる。行きたい場所にもどうやったらいけるかすぐに分かるのだ。
このスマホは常に充電された状態になっていて、基本的にコンセント等に接続して充電する必要はない。原理は謎の物質を取り入れているかららしい。
スマホは故障しない限り、使い放題なのだが、わりとよく壊れて数年に1回は壊れてしまうので、数年に1回買い換えている。今の科学技術的にそんなに頻繁に壊れるのはおかしいと思うけど、儲けるために定期的に壊れるようになっているのかもしれない。
海の方をみると、乗り物が海の数m上を飛んでいる。空飛ぶ船だ。乗り物のデザインは私は好きだ。
私は家に帰り、食事をとって眠る事にした。
今日もよく眠れそうだ。
朝になり川原知人は目が覚めた。何かSFっぽい夢をみていた。私は、急いで夢の内容をメモする事にしたのだった。
(続く)
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