第2話 夢の世界は未来の世界?

 「今までのあらすじ」

私の名前は川原 数人(かわはら かずひと)、男性である。哲学の研究をしている哲学者だ。大学の教授もしており、日々、学生に哲学を教えている。そんな私はよく夢を見る。夢の中では私は女性で、名前は鈴木 愛衣(すずき あい)という名前だ。工学部、航空宇宙工学科の学生である。


 「第2話 夢の中は未来の世界?」

  鈴木愛衣は自分の足元(あしもと)を見た。少し浮いている。私はドラえもんなのだろうか。ドラえもんは常にタケコプターを使わなくても3mm浮いているらしい。どういう原理で浮いているかというと反重力(はんじゅうりょく)と呼ばれるものだ。ドラえもんは3mmしか浮いていないらしいが、私の場合はもう少し浮いているような気がする。数cmいや数十cmくらいだろうか。3mmとかではなさそうだ。自分が浮いている事実をあらためて知った時、「あれ、なんか浮いている。不思議だな。」と一瞬、思ったがすぐにその後、「いや、これが普通だから。」と思った。


 周りを見渡すと、外国人っぽい人が数人いた。外国人という言葉を使うと差別になるかもしれないから、言い直そう。アメリカ人っぽい人や中国人っぽい人、あとはヨーロッパのどこかの国の人っぽい人とかいろいろいた。ここは日本なのだろうか。私は名前からして日本人っぽいけど、ここは日本以外の国の可能性もありそうだ。その人達は、なにかおしゃべりをしていた。当然、日本語以外の言葉をしゃべっているはずなので、たぶん日本人だと思われる私には何をしゃべっているか分からないはずだ。もちろん、英語なら学校で習ったので少しくらいは意味が分かるかもしれないが、基本的にはあまり分からないはずだ。しかし、中国人みたい人同士(ひとどうし)の「会話の内容が知りたいな。」と心の中で思うと、なぜか「翻訳中(ほんやくちゅう)」という言葉が、自分の見ている景色(けしき)の左上の方に出てきて、自分の母国語と同じように分かるのだ。同様(どうよう)に、アメリカ人っぽい人の言葉も自動翻訳されて分かるし、ヨーロッパっぽい人の言葉も翻訳されて、日本語を話しているように聞こえる。本当は日本語をしゃべっているのではないかと疑いたくなるが、「翻訳終了。」と心の中で思うと、確かに日本語ではない言葉に戻り、中国語だったり、英語だったり、ヨーロッパのどこかの国の言葉だという事が分かった。何か不思議な感じだなと最初のころは思っていたが、徐々にそんな感覚もなくなってきた。


 ふと、自分の服をみるとスマホのようなものが服についていた。これは何なのだろうか。服にスマホが内蔵されているようだ。スマホのメーカーがスマホに書かれていた。聞いたことのないメーカーのような気が一瞬した。しかし、次の瞬間、「やっぱり前から知っているメーカーだよな。」という気がした。何か記憶が不鮮明な所があるような気がするけど、わりと基本的には鮮明な気もする。


 周りの景色をぐるりと見渡し、綺麗な景色で何か懐かしい良い場所だなと思った。天気の良い日で周りは、緑に囲まれ、草木が良い感じに生(は)えていて、すぐ近くには綺麗な海も見えた。「良い所だな。ずっとここにいたいな。」と私は思ったが、急に睡魔(すいま)がおそってきた。突然、眠くなったという事だ。次の瞬間、私は布団(ふとん)の上で寝ていた。


 私は目を覚ました。私の名前は川原数人(かわはら かずひと)。哲学の研究をしている哲学者で大学の教授もしている。また憂鬱な一日が始まったと思った。

(続く)

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