信忠の覚醒
徳川さんが目が覚めるのを待って、再び目を覚ましてから話を開始する。
「いやすまぬ。気を失っていたようだ。なんか夢で上杉、武田連合軍と野戦をするという夢だった。身体に悪い夢だ」
「徳川様?現実です。オレが提案致しました」
「ははは。夢の原因は大橋殿か!!ははは・・・はぁ〜・・・」
「徳川殿?我らは最後まで見捨てぬ。戦国の両猛将から耐えるのは難しいでしょう。だからこそ、この大橋殿を信じてほしい。夢幻兵器にて二将を屠るのです」
「うむ。泣き言ばかりでは三河武士の名折れ。続けてください」
本当に元服の儀で何か変わるのか?特殊効果が実はあるのか!?ってくらい信忠君は変わったな。
「大橋殿?頼む」
「信忠様?全て私が決めても?」
「うむ。おかしなところがあればその都度聞こう。佐久間殿も平手殿も構わないな?」
「「御意」」
それから俺は事前に考えていた作戦を言う。ここ三河国〜遠江国にかけての只来城、掛川城、二俣城、高天神城はこの際捨ててしまおうと。
むしろこの4つは山城だし守れと言われれば守れるが本領発揮は難しいのだ。山火事やら被害を気にしなくていいなら最上から艦砲射撃、アパッチからヘルファイアミサイルブッパで完封だろうがそうもいかないからな。
「なんと!?城を全て捨ててしまうだと!?」
「おい!いくら織田殿とてそれは・・・」
「某は全てを大橋殿に任せてある!文句は聞くが作戦を否定するは某を否定する事と同義ぞ?」
信長さんの様な事も言えるのだな。まあまだ戦まで2ヶ月くらいあるだろう。復興の事まで色々一から説明してやるか。
パンッ パンッ パンッ パンッ
「各々方?難しい顔していただけでは何も変わりませんよ?まずは甘い物でもいかがですか?ここ浜松の城の台所を借りて私が作りました、チョコブラウニーです」
「う、うむ。いただこう」
ナイスなタイミングな小雪だ。
「小雪?ありがとうな」
「(クスッ)一番カッコイイのは暁様ですよ!」
「おいおい!大橋殿?いちゃつくのは部屋でしてくれよ?」
「「「「ははは!!!」」」」
酒井さんか。この人も間合いが上手い。しらけそうになりそうな所に笑いを入れてくる。俺と小雪をダシに使ったがナイスタイミングだ。よし!ここから一気に言うぞ。
「みなさん?食べながら聞いてください。知ってるとは思いますが私には夢幻兵器がございます。徳川家の方にもお渡ししましょう。使い方も簡単です。明日からすぐに練習するように!佐久間様?お願いしていいですか?」
「あの連射銃の事だろう?」
「はい。私の配下の黒川を付けます。使ってください。続いて平手様?平手様は戦車を使ってもらいます。詳しくは配下の喜助、望月を付けますのでお願いします」
「任されたし。あれを操縦できるのは楽しみでもある!」
「そしてここからが本題です!徳川様?さっき言った事を言いましょう」
俺が言ったのは最初から無人の城は怪しまれるため少人数の防衛にする。そしてすぐに城を捨てて退却する。これはどの城も同じだ。遠江国にある3つの城に分散して兵を置くのは意味がない。高天神城に関しては戦略的にかなり重要なのは分かるが我慢してもらわないと。
「仮に城を敵に燃やされて使えないようになってもオレが同じ数の城をお渡しします。兵の家を見たでしょう?あれと同じですぐに城を出せるのですよ」
「なに!?城を出せるとな!?」
「えぇ。そこまで数はございませんが一定数はありますよ。この内の一つはもう少しすれば城持ちを許されているので自分自身が使う城ですが」
うん。少し自慢だ。もう少しで城持ちになれると言いたかったのだ。城持ちになり誰も来客や友達が来なかったら寂しいからな。ゲームでもリアルでもボッチは勘弁だ。
「殿!この際城なんか捨てましょう!そして大橋殿の夢幻城の方が圧倒的に良いに決まってます!」
「な、なんじゃと!?」
いや夢幻城って・・・そりゃ城のジオラマは江戸城や安土城、大阪城を運営が真似たジオラマ城とかだが実在しない城とかもあるよ!?そっちの方は確かに名前負けしない夢幻城と言えるかもしれないけど・・・。
懐かしいな。この城のジオラマは当初はバラ売りされていた課金アイテムなのだ。この城が実装された当初は珍しくガチャではなく運営にやっと俺達(課金者)の思いが通じたのかと一喜一憂していたがそんな事はなかったのだ。
《暁?なんか今日デイリーボーナスに石垣っての貰ったんだけどそっちもある?》
《確かにアイテム欄に入ってるわ。なんだこれ?》
《さぁ?使ってみてよ?》
《前右府さんは何でも俺任せだな!?さすが名前の通りだな!》
《うるせぇ〜ww 報告はよ》
こんなチャットをしながら石垣を使用したのだが目の前に綺麗に積み上げられた石垣だけが現れたのだ。このゲームをしてた連中ならすぐさま城の石垣と分かるだろう物だ。
《いやまんま石垣なんだけど?俺の進めてるストーリーの年代のサーバーに来てくれ!》
《はいはい・・・うん。石垣だなww 上物は?》
《まさか上物はガチャしろって事か!?そのガチャがさっき始まったやつか!?》
《乙w 》
と、石垣だけ無料で貰え城本体は結局ガチャで当てろ!って事だったのだ。それから2ヶ月間は毎日デイリーボーナスに石垣を貰いかなりあるのだ。さすがに毎日石垣と見れば上物が欲しくなるよな!?
あぁ!引いたさ!引いた!運営の策略に嵌り引いたさ!まあ話は逸れたが、だから城はそれなりに持っている。
「徳川様?今ある城も大変素晴らしいかと思います。ですがちゃんとした石垣がある城も憧れませんか?」
「いやまあそれは・・・な」
ふん。やっぱこの時代の統治者は城に弱い。俺も城に弱いけど。
「なら決まりですね。では次は人員などどれだけ動員できるか教えてください」
「うむ。遠江や三河を全部集めれば……………」
ふふふ。暁様が主導に作戦を立てる。事前に私と2人で決めてはいますが暁様?カッコイイですよ!これで上杉か武田どちらか1人を暁様が屠れば城持ちの話は間違いなし!
例の私達の【真のホーム】を出せるでしょう!またゲームの時のように楽しく過ごせますね!いついかなる時も私は暁様に着いて行きますよ!
「小雪?15000人だって!凄いな!予想より多いぞ!」
「はい!では私は明日から三方ヶ原に兵を動かせる場所を見繕っておきますね!」
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