連れて来られた4人
「おい暁?幼少の頃、城の松の木から落ちた時より衝撃が少ないが落ちたのだよな?」
「はい。落ちましたが私も分からーー」
「暁様!!!!ご無事ですかッッ!?!?」
「え!?小雪!?小雪が何かしてくれたの!?」
「当たり前です!私は暁様護衛アンドロイドです!落ちている、プロペラを無くしたヘリをキャッチして優しく持ちました!」
いやいや優しく持ちましたって!?小雪はまんまゲーム仕様のままか!?けど助かった!!
「ありがとう!本当に助かったよ!!信治様!?小雪がどうにかしてくれたみたいです!」
「おっ!?さすが暁の嫁だな!助かった!礼を言うぞ!」
「信治様もお怪我はありませんか?」
「うん?見ての通り大丈夫だ!!ははは!」
乗っているのが信治さんでよかった・・・。明智さんだったら文句タラタラ言ってきそうだしな。
「暁様ッッッ!!!!!凄まじい攻撃でしたね!やられながらも敵にただではやられないという気概を感じました!!!」
「あぁ〜!望月さん!望月さんの方こそ大丈夫でした!?」
「えぇ。あの4人はコナユキ号様が颯爽と現れ殺さずに捕まえましたよ!」
え!?いつの間にコナユキが来たの!?
"暁君!大丈夫だった!?小雪ちゃんが居るから大丈夫だと思ったから4人は爆心地から連れ出したよ!!"
"え!?あの中から連れ出せたの!?"
"わっちの脚をなめないでね?本気出せば薩摩まで2時間で走れるのだから!!"
いや脚が速いのは分かるけど何故に薩摩!?そもそもこのゲームの運営は薩摩と縁があるのか!?やたら薩摩を推してくるよな!?
"ありがとう!それで4人は?"
"あっちに居るよ!"
「コナユキ様は本気を出せば少しだけ人間の言葉が話せるそうで以前もありましたね?それで某が捕縛致しました」
「え?あっ、うん。コナユキの特技なんだ!少ししか話せないみたいだけどな!?ははは・・・」
前も思ったが・・・話せる事に疑問は浮かばないのか!?俺なら軽く・・・いやかなり驚くと思うのだが!?
「おう!お前は・・・望月だったな?」
「はっ。申し訳ありません。信治様が居られるとはつゆ知らず・・平にーー」
「気にするな!それにそういうのは今は良い!皆の前ではそういうわけにはいかぬが俺はそういう行動は嫌いだ!それで捕まえた奴をここに連れて来てくれるか?」
信治さんのさっきまでの雰囲気とは違い真面目なオーラが出ている。まさかバリスタ擬きに小型とはいえ、ヘリが落とされるとは思わなかったぜ。
その数分後、穴太を守っていた森隊の人達も現れ、縄で縛られた男4人を連れてやって来た。
「お前!!そこに直れ!!四肢切断してそこらへんに捨ておいてもいいくらいだ!!」
「お、おい!?何で小雪はそんなに怒ってるの!?いや敵だから怒るのは分かるけどそんな風な奴じゃなかっただろう!?」
「暁様!こいつらは暁様を亡き者にしようとした奴等です!許せません!」
「ふん!我らは死ぬだろうがお前達の・・・織田の兵器を一つ壊してやった!あの世で宗滴様にお褒めの言葉が貰えるやもしれぬ!がははは!」
涼しい顔して言いやがって!だが本当にこれに関してはこの人達が見事というほかない。
「お前達の名は?」
「朝倉景隆。残り3人はワシの馬廻りだ。今に見ておれ!ワシは殺られてもまだこちらに兵は残っておる!あのワシが壊した兵器は脅威だったがあまりこちらの兵は損耗しておらぬ!」
「景隆さんでしたっけ?まあまずは見事。してやられました。けどあれは俺がわざとあなた達を殺さなかっただけ。その気になれば全兵を一瞬にして殺す兵器を持っている」
「なに!?ふん。ただの負け惜しみだろう」
「まあやられてばかりではね?別にあんたに見せるわけではないけど朝倉、浅井の逃げた先は・・・比叡山だろ?小雪?いいか?」
「はい。存分に」
「おい!何を言っておる!?まさか本当にーー」
「これは戦だろう?弱い者が負ける。負けたくなければ勝てば良い。勝ち目がないなら最初から降伏すれば良い。あんた等の理解の範疇にない兵器が一つだけと思わない事だ。信治様。仕切ってしまい申し訳ありません」
「構わん。朝倉景隆・・・越前国安居城主であろう?俺は織田信治。別にお前に忠告してやる義理はないが暁に謝っておいだ方がいいぞ?俺も付き合いは浅いが兄者にすら負けぬよう性格だぞ?」
「ふん。今更どんな兵器が出てこようが味方は後方まで下がったであろうよ!」
「お前程の男が現状が見えぬ馬鹿とは思わなかったぞ?まあ致し方あるまい。暁?何があっても俺が責任を取ってやる!好きなように致せ!」
俺は俺が持っている空の最高戦力を使い敵を一度に屠ろうと考えた。
「小雪?頼みがある。滑走路がないから回りの木々を倒してくれるか?」
「あれを使いますか。分かりました」
それから小雪は凄まじい人間離れした早さで道を広げ回りの木々を切り出した。
「お、おい!あの女の動きはなんだ!?およそ女人(にょにん)の動きではないぞ!?」
「うん?あれは俺の嫁だ。まあ今更謝っても遅いぞ?」
小雪が15分程で簡易滑走路を作ってくれた。俺は、全長約16m、翼幅約17m、武装、GAU-8 30 mm ガトリング砲、
GBU-10/12、Mk77、クラスター爆弾、ペイブウェイ、AGM-65、AIM-9A。
少しミリタリーが好きな人が聞いてもなんじゃこりゃ!?と思う、特にこの時代ではチートどころではないアメリカ空軍所属のA-10サンダーボルトをインベントリーから取り出した。
「な、なんだそれは!?先のやつより大きいではないか!?」
「あんた等がヘリを落としさえせず和睦案なんか提案してくればこんな事にはならなかった。けど何回も言うがもう遅い」
「おい!暁!それはなんだ!!?カッコイイではないか!!俺もいつかそれに乗せてくれ!!」
信治さんに関しては最早、戦よりこのサンダーボルトの方が気になるのか!?
「機会があればかまいませんよ。では少し行ってきます。小雪?この場は頼むぞ?」
「了解です!お好きなように!!」
それからみんなを遠く離れさせて俺はコックピットに乗りエンジンを掛ける。
グォォォォォーーーーーーーー
俺は失神しそうな朝倉景隆を横目に見ながら簡易的ではあるが小雪が作ってくれた滑走路を走り飛び立った。
余談ではあるがこのA-10サンダーボルトの特徴は23 mm口径の徹甲弾や榴弾の直撃に耐える。まあこの時代では意味がないのだが。ゲームでは猛者(廃課金者)が居る戦場には必ず居る飛行機の一つだ。フリーシナリオ編の無料ガチャで奇跡の引きで当てた一機だ。
消魂しい音とソニックブームを出しながらこの近辺を上空から眺める。巡航モードに変え目標を確認する。
比叡山に爆撃してやってもいいけどあれは信長さんの特権だから残しておこうかな?お!?居る!居る!一向宗達も逃げてるじゃないか!あそこに決まりだな。
俺は旋回して勢いを付けて低空からのガトリング砲とMk77爆弾を同時に発射した。
ヒューーーーーーーーーー
ドォォォォーーーーーーー
誰もライバルが居ない空での一人旅。雑音のない世界でのエンジン音と射撃音。俺は無表情、無感情で敵を撃つ。圧倒的である。
二度目の旋回時に俺の方を向いて手を合わせてる奴も見える。上空からちっぽけに見える人間のその人が俺には何故か大きく見えた。だが気にせずに掃射する。爆弾に関してだけは火事にならないようにと思い、田んぼに落とすようにする意識だけは持っていた。ただそれが俺を正気に戻すきっかけになった。
「俺は・・・俺はなにやってるんだよ!!これじゃただの虐殺じゃないか!!命乞いする間もなく奪った命多数。こんな事続けていいのか!?いいわけないよな!?」
気付けば一人で自問自答を初めてしまう。
それから四方八方逃げる敵に付近にガトリング砲を撃つのみにし決して人間に当たらないように射撃して粗方敵が比叡山に入った事を確認してみんなの所に戻った。
こんな時にだが……離陸するときは無意識だったんで簡単に飛び立ったが、改めて考えると着陸難しくねぇ!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます