防衛設備
この日の夜に俺は小雪と話し合った。
「榎並城と古橋城は城と名前がありますが要は普通の庄屋や有力者の屋敷に、櫓や多聞櫓なんかが装備されてる大きい家ですよ?」
「そうなんだ。何人くらいが守ってるのか分かる?」
「多くても500人くらいしか収容できないと思われます。鳥型カメラでも飛ばしますか?」
「そうだな。飛ばしてみようか」
俺は夜更けだがまた黒夜叉隊を呼び出し鳥型カメラの映像をタブレットで見せた。
「本当に攻められたばかりなんだな。まだ壊れた櫓とかあるな」
「そうですね。史実通りだとすれば4日前くらいでしょうか」
俺は鳥型カメラを操作して古橋城の全体を見せる。
「これはやはり素晴らしい物ですな?敵の陣容がまる分かりですな?」
「相手がどう隠そうとしても意味がないですな」
望月さんも、黒川さんも驚きはしないが関心しているな。確かにこれこそ、本当のチートだと思う。
「榎並城、古橋城共に300〜500人くらいに見えますね」
「小雪の読みの通りだ。このくらいの人数なら簡単に奪い返せると思う。ただ懸念もある。落としたとしても後ろと足並み合わせないとまた奪い返しに来ると思うから負けはしないがずっと戦わないといけなくなると思うんだ」
「某は問題ないと思いますが?」
「すずもずっと戦っていられますよ?」
「私もです」
いや何でずっと戦ってられるんだ!?疲れないのか!?
「いや休憩がないといくら銃があると言ってもしんどいと思う。オイ車が使えれば大丈夫だがこんな狭い場所で撃つとめちゃくちゃになって逆に野田城攻める拠点に使えないしね」
「では、大殿に単独で作戦を行う節を伝え電話にて大和 信貴山城で兵を待機させてもらうのはいかがでしょう?」
「信貴山城・・・松永か。確か生駒山にある城だったですよね?河内と大和の境くらいの?」
「よくご存知で。その通りでございますれば、松永様と大殿は盟友。必ずや助けていただけるかと」
「う〜ん・・・・」
実際会った事ないし松永久秀の歴史の事象だけだと信用できないよな。ワンチャン笑顔で刺してきそうなイメージがあるしな。
「暁様は松永様と確執があるので?」
「いや会った事もないですよ。とりあえず明日織田様に言ってみます」
「失礼致します。セバスチャン様からのお夜食でございます」
「奥方殿。かたじけない」
「さきさんありがとう。セバスチャンにもお礼言っておいてくれる?」
「はい!こちらの、ちょこれいと?のクッキーは私が焼かせていただきました。お口に合うかどうか・・・」
俺はさきさんが作ったクッキーを一つ食べた。砂糖かなり使ったのが分かるくらい甘い。
「美味しいよ!ありがとう!みんなも食べてまだ今日出陣するわけじゃないんだし、みんなも考えがあるなら言っていいからね」
「はっ。また何かあれば言わせていただきます。奥方様、いただきます・・・うむ!美味い!これは甘くて最高ですな!!」
「あぁ〜!本当だ!すっごく美味しい!奥方様!美味しいですよ!」
普段は、暇だろうと思うさきさんだが料理が趣味になってくれるとありがたい。シアタールームやプールなんかもあるが毎日は遊べないし飽きるだろう。そもそもシアタールームにある映画・・・。何故種類がコ○ンドーやラ○ボー、ター○ネーターしかないのか不思議でしょうがない。
それを言えばこの家の電気やら水道、お湯なんかもどうやって出てたり使われてるのかが分からないんだが。まあ使えるのだから問題ないだろう。快適装備が仮に使えなくなってもこの家が豪邸なのは変わりない。
この日の夜はさきさんとだけにした。俺の意見を小雪と話し合い、交代にするらしく明日は休みで明後日は小雪とという風な感じだ。久しぶりの1対1だ。
「ハァー ハァー 暁様・・・さきは・・ハァー さきは幸せにございます・・・」
「さきさん・・・うっ・・・・」
本当の世界に居た時はこんなに抱けば多少はマンネリしてくるが何故かさきさんには、そんな感情が起こらない。この特別な感情はなんなんだろうか。
俺は次の日さっそく城に上がる。
「という事で奇妙様は今はお勉強中ですが既に簡単な算術などは計算できております。これに関しては私も驚いています」
「ふん。ワシの倅だからな。いずれ倅が織田になるのだから当然だ」
やはり我が子が可愛いし特別視してしまうんだな。
「それで本題です」
俺はタブレットを見せ、オートで飛ばしてる鳥型カメラの映像を見せた。
「ほう。これが例のお前の家にあったやつか」
俺はまた何か言われるかと思って身構えたがそんな事もなかった。
「本気を出せば野田砦、福島砦も30分で無力化できるでしょう。ただ、維持が難しいし大きな兵器はこんな密集地で使えば後が大変なのでまずは榎並城、古橋城を攻め奪い返しこちらを拠点に野田砦に攻め入れば良いかと進言致します」
「お前もワシと同じ考えか。どのようにして攻める?」
うん?信長もこの二つを奪い返そうと考えてたんだ?
「正攻法で行きます。連射銃にて私達の隊が減らせるだけ敵兵を減らします。その勢いのまま織田様の兵をなだれ込ませ制圧致します」
「河内と摂津は雑賀衆が居る場所だ。鉄砲は効かぬかもしれぬぞ?竹盾ではなく石盾を使っておるとも聞いておる。そのかめらとやらをもう少し寄せれないか?」
「仮に鉄砲が効かなくても効く武器は他にも色々ありますので。使う事気にせず殲滅をお望みならば一撃・・・では無理ですが簡単に敵を排除する方法もありますよ」
俺はタブレットで操作して近寄らせ敷地内にある木に止まらせた。
「簡単にとな?それは小谷を攻める時にでも頼もうか。ほう?こんな狭い古橋城に桝形虎口か。それに伴い渡り櫓もあるか」
この時代のオーソドックスな防衛設備だな。桝形虎口とはL字のような場所を作り大群が来ても隊列が長くなり足が遅くなった敵を側面から倒す防衛設備だ。
渡り櫓とは桝形虎口の壁と言えばいいか。その虎口門上に置いた矢や投げ槍なんかを置いた大体この時代の城にはあるオーソドックスな防衛設備だ。
「恐らく松永様の多聞城を参考にしているのだと思います」
「であろうな。三好如きにこのような頭を持っておる者が居るとは思えん。どこぞの城から持ってこさせたのであろう。ワシ自らが出よう。迅速な行動が肝となる!2日で用意致せ!誰ぞある!敗走した三好義継の動向を知らせよ!松永と連絡を取り連携をしろ!彼奴は既に迎撃態勢に入っておるはず!まずは、横山城に向かう!」
羽柴さんが置かれているあの奪った城か。さぁまた戦だ。今度こそトリガーハッピーで敵を倒そう。
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