最強の防御力を誇る刀・・・その名はゴッドセイブザクイーン!

 「大橋様の奥方様・・・」「あの方が噂の・・・」


 「あっ、小雪殿!」


 「竹中様?随分と押されましたね?」


 「なんとか凌いでいましたが13段の内11段まで突破されてしまいました。なんとまあ情けない。それにあの大きい音は暁殿の兵器だったでしょう?」


 「ナポレオン砲・・・私達は朝倉を屠ったわ。暁様は真柄十郎左衛門を一騎討ちの末、討ち取りました。そして私はあそこに居る猪武者を討ち取りましょう」


 「あの者は遠藤直経。微力ながら・・・私が道を作りましょう。羽柴隊!坂井隊!池田隊!道を開きなさい!大橋左衛門尉小雪様が出られるぞ!!!」


 クッソ!!小雪の奴カッコイイじゃないか!!俺もあんな風にされたかったぞ!!!俺なんか隣で本多さんが居ただけだったんだぞ!?けど・・・あの人が遠藤直経か。浅井家の重臣だったよな。


 「ごきげんよう?遠藤さん?」


 ガキンッ ガキンッ 


 「チッ。女!我に何用だ!」


 「大橋左衛門尉小雪。あなたが最後に話をする人よ?こんな所まで突出して馬鹿かしら?」


 ブォォン!  シュッ


 「ほ〜う。尾張の弱兵とは違うみたいだな?女とて我は容赦せぬぞ?」


 「遠藤様!後ろも囲まれます!早く!」


 「分かっている!政之は殿の元へ急げ!戦は負けだ!だが一矢報いぬと浅井の名折れ!」


 「へぇ〜?あなたは浅井長政の弟、浅井政之ね?あなたも帰さないわよ?」  


 シャキーーーーーン


 「「「「おぉぉぉーーー!!!」」」」


 「なんだ?その刀は!?何で金色の色をしておる!?」


 「この刀は特別な刀。名前を【ゴッドセイブザクイーン】私が持っている刀で一番防御力の高い刀よ。暁様の【ゴッドセイブザキング】には負けるけど」


 「な、なんだ!?そのごっどせいなんとかってやつは!?暁様とは誰の事だ!?」


 「政之さん?あなたは見所がありそうです。敵の事を知るのは大事な事よ?暁様の事を知りたいのならば織田に降りなさい?暁様の事なら私が1年掛けて教えてあげますわよ?」


 いやいや小雪はマジで何言ってんの!?俺これから岐阜でどんな顔して歩けばいいんだよ!?恥ずかしいだろ!!!


 「ふん!刀に防御とは笑わせる!女に我が刀の真髄を教えてやろう!」


 ガキンッ カン ガキンッ カン ガキンッ カン


 「き、貴様ッ!!」


 ガキンッ ガキンッ ガキンッ カンカンカン


 「こ、小雪様!!ばんざーい!!!」


 「「「ばんざーい!!!」」」


 また小雪はカッコイイな!?俺の時とは大違いじゃないか!!あの【ゴッドセイブザクイーン】は対となる【ゴッドセイブザキング】の聖属性とは反対の闇属性の刀だ。


 あの刀は闇炎を刃に灯し、対象を斬るのだが刀自体は然程強くないのだ。だがゲーム内最強の防御力を誇る刀は伊達じゃない。


 俺が使ったゴミ武器とは違いこの【ゴッドセイブザクイーン】は相手の攻撃力を吸収しどんどん強くなるのだ。だから生半可な技しか使えない者が使おうもんなら殺られてしまう刀だ。


 俺か?俺は刀の戦いも好きだが遠距離から狙撃、数撃ちゃ当たるトリガーハッピーが好きだ!安全第一!

 

 ちなみにだが最強武器四天王の一つに入っている。というか、俺がこの世界に来る前まで【ゴッドセイブザキング】より【ゴッドセイブザクイーン】の方が最強とまで言われていた。


 「チッ・・・どんどん剣戟が重くなってきやがる!どうなってるんだ!?我(われ)が女なんぞに・・・」


 「こんなものかしらね?今一度聞くわ。あなた降る気はないかしら?」


 「ふざけるなッッ!元々我は最初から織田と同盟は反対だったのだ!!」


 「あらそう。なら見せてあげましょう。本当の真髄を」


 何で小雪まで一々カッコイイんだよ!?


 「遠藤様!退きましょう!」


 「ならぬ!我が負けるはずがない!!」


 「ゴッドセイブザクイーン!」


 グサッッッッ!!!!


 「え、遠藤様!!!」「遠藤!!!!」


 「グハッ・・・なんの・・・これしき・・・」


 「あら?肩から両断しようとしましたがまだ力が足りませんでしたか。けど残念。心の臓まで到達はしませんでしたがあなたは虫の息。ごきげんよう?猪武者君」


 「小雪様!!危ない!!!」


 ブシャッ!


 「あら?最後の抵抗だったのかしら?私とした事が詰めが甘かったわね。あなたは竹中半兵衛様の弟、重矩殿だったかしら?ありがとうね?助かったわ」


 「はっ、はい!名前を覚えていただきありがとうございます!ですが一騎討ちに泥を塗るようにしてしまいーー」


 「構わないわよ?そもそも私は一騎討ちに興味はないの。なんなら途中後ろから斬っても良かったのですよ?後から斬られる奴が悪い。逆に私を斬っても結構。もし斬れると思うならば・・・ね?重矩殿?」


 「小雪・・・・・」


 「暁様!いかがでしーー」


 スパコンッ


 俺は思わず便所スリッパで頭を叩いた。


 「重矩様お久しぶりでございます。うちの嫁がすいません!時折り私にですら変な事言ってくる嫁ですので。小雪!味方に対する話し方を気をつけなさい!」


 「・・・・・・」


 「小雪!!!」


 「え?・・・・あ、はい!気をつけます!暁様!もっと叩いてください!私をお叱りください!!!」


 とうとう、あの変態馬の病気が移ってしまったのか・・・。


 「いやぁ〜暁殿の奥方は凄まじいですな?私の弟が申し訳ない!重矩も謝りなさい!」


 「申し訳ございませんでした!」


 「浅井政之・・・・あなたはどうしますか?」


 この人も居た事忘れてたな。存在が薄い人だな。もうこの人は自力では逃げられない。後ろは完全に織田軍、徳川軍で閉じてしまっている。


 「わ、我こそは浅井久政が三男、浅井政之なり!最後の一兵になろうとも1人でも多くの者を道連れにしてやる!!」


 「どけぇぇぇぇぇ〜〜〜!!!」


 「坂井殿!?どうされたか!?」


 「竹中殿!それに大橋殿!無礼を承知で申させてほしい!この者をワシの手で!」


 「御子息の弔いですか」


 「奥方殿は分かってくれるか・・・」


 「えぇ。かまいませんよ?竹中様も暁様も構いませんね?」


 俺達は無言で頷いた。


 「尚恒の仇!覚悟せよ!!!!」


 ズシャッ!


 坂井さんの一刀で浅井政之の首が飛んだ。


 「お館様御到着しました!!!」


 「ふん。やりおったか。だいぶ攻め込まれてしまいおって・・・。政尚!」


 「は、はい!お館様申し訳ありまーー」


 「構わん!息子の事はすまなんだ。浅井を追いかける!行くぞ!」


 意外にも1人の事を偲んだりするんだな。あまり気にしない人かと思ったわ。


 「大橋!小雪!近う寄れ」


 「はい。どうされましたか?」


 「よくやってくれた!正直ワシの喉元まで義弟は来るかと思うておったがよくぞ流れを変えてくれた。礼を言う」


 「いえ、大した事ありません」


 「義弟は小谷まで戻るであろう。できるだけ戦力を削いでおく必要がある」


 「心得ております」


 そう言ってから俺達も小谷の方に向かう。途中何人かが捨て身の戦法を取りながら向かって来たが難なく突破。本来史実なら城攻めはなかったが・・・。マジで城門ブッパしてみるか!?黒夜叉隊は消化不良ぽいぞ!?


 「黒夜叉隊はここぞ!!掛かってこいや!!」


 「逃げるな!戦え!!」


 「首置いていけっ!!!」


 女の子達が言う言葉じゃないよ・・・。


 「暁様?」


 「どうした千代女さん?」


 「いえ、このまま城攻めでしょうか?」


 「いや多分それはないと思う。何でそんな事聞くの?」


 「あの真柄って輩と戦っていた姿・・・雄雄しく素敵でした!!!」


 「必死だったからね。ありがとう。千代女さん達も結構倒したんじゃない?」


 「私は数えるの辞めました。佐助様と喜助様が奮戦しております」

 


 「おい!俺は大橋軍斬り込み隊の喜助だ!浅井の兵!貴様だ!3分間待ってやる!!」


 「ひっ、ヒィ〜〜〜!!!」


 

 うん。やっぱあの2人は馬鹿だ。

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