最強の攻撃力を誇る刀・・・その名はゴッドセイブザキング!
「おい!いきなり刀が現れたぞ!?」「なんだ!?なんの技だ!?」
「ははは!貴様は面白い!見えぬ所から刀を取り出すか。ワシの太郎太刀に似た刀だな?」
俺は力には力の強い刀をと思い、ゲーム中では脳筋キャラのアカウントでしか使用していなかった大太刀。その名も【ゴッドセイブザキング】を取り出した。
名前はどの剣、刀よりもカッコイイと思っている。この刀は刃がゲーム内唯一の聖白色でVR戦国統一編 俺がプレイしていたゲームで最高の攻撃力を誇る刀だ。だが欠点もある。
攻撃力が高いだけで固有技が一つしかないし、重たいのだ。振れるか分からないがこれしかないだろう。
「俺がもっている刀で最高の斬れ味を誇るゴッドセイブザキングだ。死んでも恨むなよ」
「ふん!小僧が!ワシが在りし日の戦いを教えてやろう!」
一々このおじさんは言う事がカッコいいな!?
俺は唯一の固有技・・・【ゴッドセイブザキング】を発動した。
ゲーム内では、この刀に関しては、技名が変更不可だった。だからこの名前のまま使用しないければならなかったのだが俺は刀の名前がそのまま固有技の名前と同じなのはカッコいいと思うから気に入っている。
「ゴッドセイブザキング!」
ズシャッ!!!
「真柄様!」「殿!」「直隆!!」
このゴッドセイブザキングという技は聖属性の刀だ。全長2m98 刃長2m10 重量7キロの大太刀に入る刀だ。さっき出した固有技は聖なる聖炎を刃に灯し、所有者が敵と認識した者を抵抗なく斬ってしまう技だ。
余談だがこの刀はゲーム内1位の攻撃力を誇る刀だがこの固有技があまりに強すぎるため実装3日目にして弱体化された武器だ。
この武器は相手の武器をも切断してしまうため嫌がらせプレイヤーが増えたため1日一回しか発動できなくなり、そして発動後は刀の重さが50キロになるというクソ武器になったのだ。
それでも俺は暫くは使い続けた。名前がカッコいいからだ。だが悲しいかな聖炎を刃に灯し斬るわけだから相手を斬っても出血がなくスリップダメージが入らないのだ。
所謂運営のおもちゃにされた武器だ。作中、最高攻撃力の刀が聞いて呆れるもんだ。ちなみにVR戦国統一編 最強武器四天王の一つがこれだ。
こんなヘンテコな武器が四天王だと!?と思うだろう。だが、このゴッドセイブザキング、この技が使える1発だけに関しては最強だからだ。現に・・・、
「今の・・・剣筋はなんだ・・・気がつけば右手が離れておる・・・」
「あなたの右腕を斬りました。ただそれだけ」
「ふん。あまりに早くてワシでも見えなかった。だが血が出ておらぬ!続きをしようか」
いやいやいや馬鹿だろ!?そしてやっぱこの武器はクソだわ!名前がカッコイイだけのゴミ武器だわ
俺は急いで使い慣れたニンフ剣に持ち替え全力の飛ぶ斬撃を相手の左手に放った。
それでもこの人は左手一本で弾きながら満面の笑みで・・・
「死が究極に迫ってくる瞬間が一番生を実感する!」
と抜かしやがった。お前は究極のバトルジャンキーかよ!!俺は真剣に飛ぶ斬撃を放っているため喋る余裕がない。
「死合いとは面白いな!上には上がいる・・・グハッ・・・」
「「「「真柄様!!!」」」」
「ハァー ハァー ハァー ハァー」
さすがにこれで刀を持てないから大丈夫だろう・・・だがかなり疲れたぞ・・・。
「強いな・・・両の腕を斬られたか・・・最早、刀も持てぬ。・・・・・大橋兵部少輔暁ッッッ!!!」
急に名前を呼ばれ思わず普通に返事をしてしまった。
「はい!」
「我が頸を御家の誉れにせよ!」
そう言うとこの真柄十郎左衛門落ちていた、まだ自分の左手が残っている太郎太刀を足で蹴り上げ刃が上を向いた後に・・・自分から刺さりにいった。
「朝倉ぁぁぁぁ!!!!!」
真柄との死闘が終わったと同時に迂回していた榊原さんが現れ完全に勝機はこちらに傾いた。
「見事だ!大橋殿!見事!!徳川軍!大橋殿を守れ!!大橋殿・・・俺は感動した!織田は刀に代わり鉄砲になってきておると聞いていたがまさかこんな事があるとは・・・うっうっ」
いやいや本多さんは頭おかしくなったのか!?何で泣いてんの!?そもそもあんたが来るからこんな事になったんだぞ!?と声を大にして言いたい。
「暁様!お疲れ様でした!まさかゴッドセイブザキングをお使いになるとは思いませんでした!はい!太郎太刀をどうぞ!」
いや拾って来てくれたのは嬉しいけど左手のけてくれよ!?怖いじゃないか!?
「親父ぃぃぃぃぃ〜〜〜〜!!!!!!」
なんだ!?なんだ!?また巨漢の男がこっちに来てるんだが!?
「大橋殿お下がりを。ここは俺が。その者止まれッ!!止まらぬば斬るッ!!!」
「徳川ぁぁぁ〜〜!!!」
俺が倒した真柄って人の息子か?悪い事したけどこれは戦だ。後悔はしてない!
「恨むなよッ!!フンッ!」
ズシャッ!
「クッグハッ・・・親父・・・共に・・・」
「他愛ない。蜻蛉切りの相手ではない」
いやいや本多さんもカッコイイな!?『蜻蛉切りの相手ではない』俺も次の戦いの時言うか!?『ニンフ剣の相手ではない』・・・うん。ダサいな。
「本多様!やりましたね!」
「いや小倅だとは思うが父親のような圧は感じなかった。朝倉は既に敗走している」
「大橋殿!!」
「徳川様、出しゃばり過ぎました。すいません」
「いや後ろから見ておりましたが中々の剛でしたぞ!!あの真柄十郎左衛門を討ち取るとは・・・。一気にこちらに流れが向きました!今から浅井の側面を突きます!」
「了解しました。織田を助ける事は私の配下も好きにさせます。それは了承ください」
「うむ。相分かった。徳川軍!浅井の側面に向けて突撃ッッ!!」
よし!今は・・・森さんの所まで入ってきているのか!?急ごう!
「黒夜叉隊!待たせて悪い!浅井を好きなだけ討ち取れ!!!」
「「「おぉぉーー!」」」
そこからは早かった。徳川軍の間から俺達は突入し、風華ちゃんやすずちゃんなんかは短刀で戦い、しかも楽しんでいるように見える。望月さん、千代女さん、黒川さんなんかはちゃんと鉄砲で無双している。
佐助と喜助は・・・
「我が剣(つるぎ)の糧となれ!」
「我が刃の肥やしになれ!」
うん。平常運転だ。
「クッ・・・退けぇ〜!退けッッッ!!!!」
俺も真柄と戦う前に取り出したベレッタで撃ち殺してはいるが中々退かない者も居る。その中々退かず1人突出している人を俺は見逃さなかった。何人かの人に手を引かれ退くように促されている。
「小雪?あの人誰か分かる?」
「浅井家の名のある将でしょう。討ち取りますか?」
「そうだな。1人突出し過ぎて周りも見えない。孤立している。討ち取る他ないだろう。俺が殺ろうか・・・いや味方が多過ぎて銃は難しいか・・・」
「私も1人くらい殺りましょう」
「大丈夫だとは思うけど気をつけてな?」
「(クスッ)初めて私を心配してくれましたね?私は負けません!あっ、どうせなら暁様と同じように・・・【ゴッドセイブザクイーン】を使ってもよろしいですか?」
「別にいいけど明らかにオーバーキルになるぞ!?」
「暁様は【ゴッドセイブザキング】で真柄氏を倒しました。正妻である私は【ゴッドセイブザクイーン】であの人を倒します」
いや正妻とか言ってるけど今関係あるのか!?そりゃ確かにこの2本は夫婦刀(めおとかたな)として生まれたわけだが・・・。
「では、行ってきます♪」
あぁノリノリだ・・・誰か知らない浅井の将さん?今から逃げても遅いぞ!
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