読書

「ねむたい」

「んん、って言われてもなぁ」


 窓の外は猛烈な風が吹いていて、さっき買い物に一人で出た時、思った以上に寒くて、自分の服の選択を呪った。


「家の中で二人でできること、何か……って、おーい」


 寝転がって本を読んでいた私の腕が不意に暖かくなり、本から視線を逸らすと、彼はすでに寝息を立てていた。


「寝ちゃったかぁ」


 少し自分の頬が緩んだ自覚はあったけれど、誰にも見られてないと思うと、その緩みはいつにも増した。

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