ジャンクフード

ヤマシタ アキヒロ

第1話

  ジャンクフード



「お菓子ばっかり食べてると

 大きくなれませんよ」と


むかし母によく言われた

以来わたしは

あまり間食をしなくなった


大人になって

母の目をのがれた今

わたしはまた

ジャンキーなものに手をのばす


ジャンキーな食べもの

ジャンキーな音楽

ジャンキーな情報

ジャンキーな行動


それらはみな

主食よりも手に取りやすい

お手軽に欲望が

満たされるからだ


そういえば

うちのハムスターだってそう

ジャンキーな餌の方が

食いつきがよい


おかげで彼は最近

ぶくぶく太っている

回転遊具を走るのも

なんだか重そうだ


私も思い切って

お菓子を控えようか

主食中心にすると

やっぱり体の

調子がいい


心にひびく

書物に出会うと

本当のことが

思い出されるように


母の言葉を守って

しばらくお菓子を

やめようかな


でも

時にはジャンクフード

思いっきり

食べたいよね


みなさんはどうですか

いつまでも

叱ってくれる人は

いませんよ


        (了)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ジャンクフード ヤマシタ アキヒロ @09063499480

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ