仲間集め⑦
「ははっ!! おいおいどうした魔族共!!! 幼気な少女を使ってだまし討ちを決め込んだんだろ!!! 逃げ隠れしてるんじゃねぇよ腰抜け!!!!」
近くの誰もいない建物に潜んでいた魔族を引きずり出して、首を引き千切って胴体を踏み潰しながら声を上げる。最初に殺した奴ら以外にも多くの気配が感じられるのでもっといるだろうと思い、煽るのだが隠れている魔族は出てこない。
ちなみにリオはまだ探している最中。臭いから探り当てられると言ったのは本人からの進言だったのでそれを任せているんだが、別の臭いが沢山あって判別し切れなくて困っているとのこと。
「そこだな? じゃあ死ね」
リオが発見するのを待ちつつ、隠れている魔族に向けて蹴りを叩き込み潜んでいる建物ごと消し飛ばす。魔族がいたという証拠になる首は十分すぎるくらいには取ったのであとは見つけて纏めて殺すだけでいい。
「すまない、遅くなった」
「まだ残ってますか?」
「問題ない。魔族共も残っているというか無様に逃げ隠れしている、から探して見つけて殺せ」
「任せろ、得意分野だ」
「お任せくださいねぇ」
「見つけた」
「何処だ、案内してくれ」
「こっち」
「分かった。ファナ、ステラ、外の魔族共は任せる」
「「了解」」
そうして暴れているとファナとステラが合流してきたので、魔族共が逃げて隠れているというのを伝えてそのタイミングでリオが見つけたのでそのまま任せて俺は先導してくれるリオの後ろを付いて行く。
急ぐ気持ちが抑えきれないのか走り出しているリオに付いて行っていると影から手を伸ばしてリオを捕まえようとする腕が伸びて来る。なのでその腕を捕まえて引きずり出し、人間だったので四肢を砕いて逃げたら殺すと脅しをかけてから放置して先を行ったリオを追いかけていく。
その結果、辿り着いたのは裏市場の入り口。
どうやら最初から別段本丸の位置は変えていなかったらしい。
「此処、下の方から」
「下がメイン会場らしいからな。可笑しなことはない、魔族の臭いはするか?」
「する。上にも下にも」
「なら、いいな。下がっていろ」
「分かった」
確認を取ってから、扉を蹴り飛ばす。中に誰かいるのかもしれないがそんなこと関係なしに付いている壁ごと蹴り飛ばして、中を覗いて発見した魔族へと接近して背を向けようとしていたところを捕獲して床の上に倒して頭を踏み潰す。
「よう魔族に与するゴミクズ共。テメェら全員この場で死刑だ」
それから中に居た人間全員にしっかりと聞こえるように通達する。叫び声、唸り声、罵声、怒声色々と投げかけようとしてくるが、残念ながらそういった声を真面目に聞き届けて受け入れる年齢はとっくに過ぎているので...全部無視して殺していく。
一応豪華な服装をしていたりする奴らは四肢を粉砕して気絶させる程度にとどめているが、それ以外の奴らは基本的に首の骨を叩き折るか潰すかしてしっかりと殺して回る。あぁ勿論、ボロボロな状態で心神喪失状態の奴隷に関しては首輪を毟り取って優しく気絶させてから床にそっと寝かせている。
「な「ほい」ごぺ」「きさ「ほい」ぶべぇ」「は「死ね」」「だ「ほい」ぶっ」「ふざ「ほい」ぼべ」「ひっ「お休み」きゅう」「たす「ほ、っと残すか」ぶへ」「え「ほい」どぅべ」「ゆるし「お休み」うぅん」「ど「ほい」ぬっ」「ぎ「死ね」」「が「死ね」「わしは「ほい」あば」「ごめ「ほい」こぺ」「やめ「残し」ぐへ」「おど「残し」うば」
……………
「多いなテメェら!? 何人殺したと思ってんだ!!!」
「「「「「ひぃ!?」」」」」
「魔族を差し出せ!! 攫った連中を解放しろ!! そしたら連れてきた奴らだけは生かしてやるよ!!! 逃げたら地の果てまで追いかけて殺すからな!!!」
「「「「「分かりましたァァッッ!!!!!」」」」」
「……従えてる」
「最初からこうすれば良かった。縄あるか?」
「あるよ、どうするの?」
「そこのデブ三匹を拘束する」
「私がやっとく。あとそこに逃げようとしてるのいるよ」
「そうか...悲しいよ俺は」
「おゆる「無理」じょべ」
~~処刑&拘束中~~
余りの多さにキレて生き残った奴らに脅しを掛けたら一丁前の生き汚さを見せて魔族を雁字搦めにして持ってくるわ、捕まってた人たちの拘束を全部外して連れて来るわで騒ぎを聞いて騎士団が駆け付けて来るよりも前に全員の解放と全員の拘束が終わってしまった。
ちなみに魔族は一匹も生かしてない全員殺した。正確に言うと、何人かが隠そうとしていたけど見つけて見せしめに纏めて殺したらそれ以外の全員が隠れていたり、逃げ出そうとしていたりしていた魔族を全員捕まえて差し出してきたので殺した。
「なる、ほど...事情を、聞かせていただいても、いいですか?」
「良いけど、その前にこの人たちを全員治療院に運ぶことの方が優先してくれ。捕まって長い時間が経っている...おい一番長くてどれだけ拘束していた?「二ヶ月です! 最低限の水と食事しか与えてません!!」だとよ。先に治療と食事を与える所から始めた方が良いんじゃないか」
「分かりました、すぐに手配します。拘束されている連中はどうしましょうか?」
「何処に連れて行くんだ?」
「騎士団本部の牢屋です」
「なら一人案内を付けてくれ。俺が連れていこう」
「本当ですか! でしたらお願いします!!」
「あぁ、おい行くぞ」
「「「「「はい!!!」」」」」
その後、俺に骨の本数を数えながら骨を砕かれ続けるか自分で自分を拘束して騎士団に捕まるかどちらが良いか聞いて、揃って自分を拘束する道を選んだ裏市場の人間たちを並べているとようやく騎士団が来てくれた。そのまま色々と話してから、衰弱している人たちを騎士団に任せて俺は事情聴取兼拘束した人間たちが逃げ出さないように騎士団本部にある牢屋への道を歩いていく。
ちなみにリオは騎士団の人間が来る前に兄と姉を連れてこの場を離れている。俺が色々と怒られたりする時間があるだろうということで、先に数日分の食料を購入できるだけの金(元宿代)を渡してリオを運び込んだ治療院に向かわせている。
諸々が終わって落ち着いたら迎えに行くというのを伝えてあるので、治療院の医者さんには申し訳ないんだが二三日の間預かっててもらうことになる。迎えに行くとき一緒に詫びの品でも買って持っていくことにしよう、果物か菓子類あたりを。
「随分と暴れたな」
「頭に血が上ってた、本当に申し訳ない」
「ん? あぁ壁の件か? そっちに関しては別に問題ないぞ。内部に引き入れられた魔族が壁に爆弾を仕掛けて爆発させたということにしたからな。修復に関しては魔法連合の連中の領分だから我々の管轄外だからな」
「それ以外にもだ。もっと証人が必要だったんじゃないか?」
「そっちも別に問題はない。今聞き出している所だが死なずに済むならって意識のある奴らは馬鹿正直に話してくれるし、四肢が粉砕されてた連中も目を覚ました瞬間から恐怖に歪んで馬鹿正直に話していたからな」
「……そうか」
「あぁ、そうだ。まぁ陛下は驚いて腰を抜かしていたが大事は無かったし、ヘルメスの方もきな臭いと思って侵入しようと思っていたから問題ないって言っていたしな。混乱していたのは民衆だけだが、そっちに関しても騎士団から魔族のせいで発生したと伝えたら落ち着きを取り戻したからな」
「……なるほど」
そんなこんなで事情聴取の現場。
俺の担当になったのは騎士団長本人、てっきり一般の騎士が対応するものだと思っていたんだが...まぁ事情を理解している方が話を進めやすいからいいか。
雑に済ませられる理由は魔族が関わっているからこの事情聴取はさっさと進められる。何故かと言われれば、最終的には魔族が原因でその原因は死んでいるということになるから細かにやらないのである。
これに関しては勇者の時に何度か経験があるというかいつだったかの殺した魔王軍幹部のスライムを殺して回っている時に受けたことがある。
「それで、誰が主導していたんだ?」
「人間側か? 最初に魔族に与したのは元々裏市場を管理していた商人でそこに幾つかの貴族が関わって外に情報が流れ出ないようになってたみたいだ」
「……伯爵か?」
「伯爵と侯爵が二つだな。金と地下道の用意をする代わりに優先的に流せなんて言ってたみたいだ、今絶賛家宅捜査を仕掛けているからすぐに証拠が出てくるだろうな。領地持ちが二人もいたのが面倒だ」
「……人はいるのか?」
「代理のか? そっちは問題ない。王城で宙ぶらりんな状態で文官をしてる貴族出身で三男以下の奴は多いからな。領地運営はそいつらに任せることになる」
「…なるほど...攫われて来た人間の詳細は分かっているのか?」
「あー、それは、だな」
「……どうした?」
「………何人かは判明した、この一件の始まりだろう獣人の集落もな」
「……それで言い淀んだということは、簡単に対処出来るようなことではない問題がそれらの場所で起きているということか?」
「うむ...」
「……何があった?」
「最低でも最高位魔族以上の実力を有する魔物、お主も何処かで聞いたことがあるかもしれんが災害として区分されるような魔物が滞在している」
「……なに?」
いや、聞いたことはある。なんなら何度かそれと同等の案件は対処したことがあるが...いやそういうことか。リオの集落にトドメを刺した巨大な魔物、それが災害区分される魔物だったということか。
だが普通には殆ど出現しないは……まさか、
「魔族の関与か?」
「その可能性は大いにある。だが確信は得られていないし何処で生産されているのかも分かっていない」
「そして先に対処しないとその根本を探しに行くことも出来ないと………そうすると依頼というのは」
「当初は他のことを頼む予定だったんだがな。王都近郊の魔族集団、各地で結束を始めている魔族、騎士団はこれらの対処に出て回っている」
「そうか...その依頼を受けるに当たって色々と要求したいことはあるんだが、取り敢えず日を置いて迷惑を掛けたところに話を通してからでもいいか?」
「勿論だが早めに話しておきたい。一週間後の昼に陛下の執務室へと来ることは出来るか?」
「あぁ、じゃあそれまでに終わらせておく」
「うむ。では事情聴取はこれで終わりだ、事件解決の協力に魔族討伐に感謝しよう」
「あぁ。そっちも後始末を頑張ってくれ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます