第4話 香苗の心配
1限目と2限目の間に私は、香苗に昼食に私の彼氏と3人で食べてもいいか聞いた。
「香苗ー。」
「どうした。そんな笑顔で、なんか良いことでもあった?」
「まあ、それもそうなんだけど、今日の昼休み、空いてる?」
「空いてるも何も、一緒に食べるでしょ?」
「うん。それでなんだけど、私の彼氏も呼んでいいかな?」
「え?ま、まあ、良いけど」
「やっぱ、辞めといたほうがいい?初対面で昼食は恥ずい?」
「いや、そんなことはないけど、そんな頻繁に会って、親しくなってもいいの?」
香苗はまた心配した顔をした。
「なんで、そんな心配した顔をする、、、」
”キンコンカンコン”
急に予鈴が鳴った。
香苗は不思議な顔をしたままだった。
「ごめん。なんて?」
「やっぱ、良いや。ごめん、授業行くね」
「う、うん。じゃあ、また」
「うん。バイバイ」
*****
~授業中~
私はなんで香苗が私を心配したのか、全く分からなかった。
「なんで、心配するの?心配されるようなことした?」
「いや、してないはず。じゃあ、なんで?」
「大丈夫?」
急に先生に話しかけられた。また、心配するような目で。
「あ、はい。すいません」
「しんどかったら、無理しなくて良いよ」
「はい。」
*****
〜昼休み〜
笑顔で待っていた香苗に私は元気よく声をかけた。
「さ、な、えー」
「そんな大声で呼ばなくても私は、いるから」
香苗の照れた顔は可愛かった
「可愛い顔すんじゃん」
そう言いながら、私は香苗に抱きついた
「なんで抱きついてくるのよ」
「息苦しいじゃん」
また照れた
「そんな照れた顔をするからだよ。香苗は私にとっての彼女なんだから」
「意味分かんないよ」
香苗が「もーしょうがないな」と言いながら、私達は屋上に行った。
屋上には、まだ海翔は、いなかった。
香苗は困った顔で言った。
「あれ、彼氏来てないじゃん」
「ホントだ。まー、そのうち来るでしょ」
「そうなの?」
「うん。あいつは、そういうもんだよ」
彼氏のことを全部知っているかのように言った。「すぐ行く」って言っていたのに、なんで来てないんだよ。もー、迷惑かかっているんだけど。
すると……
「ごめーん。待った?」
「いや、待ってないですよ。今来たところです」
「そうなんですね。よかったです」
「嘘だー。結構前から来てたよ。遅刻してるんだからね」
私は、嘲笑うように言ってみた。
「ちょっと、彩華。止めな。振られるよ」
「いや、良いっすよ。付き合ってからこんなキャラでしたよ。まー、おれは、そこが好きなんですけど」
海翔は、照れ顔で言った。
「何ちょっと照れてんのよ」
「しょうがないだろ。かわいいなんて今まで言ったことないんだもん」
「まー、そろそろ食べない?」
「そうだね」
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