第2話 放課後の二人
放課後
私は、約束の時間の30分早く屋上に行って、待ち合わせをした。待っている間にどんな話をすればいいか決めた。
「とりあえず、自己紹介かな。後は、、、部活でどんな練習をしているかとか得意教科や苦手教科も話そう。もうすぐ期末テストだし、勉強にも誘ってみよう!」
いろんなことを考えている間に、約束通り、その男子が来た。
「まず、自己紹介しあおう」
そう言って話し始めた。
「え、えっと、
「かいとくんね。よろしく。ちなみに私の名前って知ってる?」
「え?東さんだよね。」
「下の名前は?」
「下は、えっと、えっと、あ!」
「かなえだよね?」
「えー?違うよー」
「え!?違う!?」
「それは出席番号が私の次の子だよ」
「え、まじ?」
「うん。まじ。」
「ほんとごめん!本当に分かんないかも」
「えー?しょうがないな、答え言っていい?」
「うん」
「もー。一回だけ言うからよく聞いておいて」
「分かった」
「東 彩華だよ。覚えてね。よろしく」
「よろしく。東さん」
「せっかくだし、下の名前で呼んでよ。そのほうが、早く覚えられるしさ」
「わ、分かった。じゃ、じゃあ、彩華さん」
「えー。ちゃん付けじゃないのー?」
そう言われた桐谷は恥ずかしがりながら言ってみた。
「彩華ちゃん。恥っ!」
「いや、冗談だって。別にいいよ。彩華さんで」
「はー?ふざけんなよ。言っちゃったじゃん。もー」
そんな牛みたいに彼は鳴いた。
その後、彼といろんな話をした。
普段の学校生活についてや部活のことなど本当にいろんなジャンルを話した。
すると彼から、こんなことを聞いてきた。
「ねえ、なんで俺みたいな人をオッケーしたの?」
「え?なんでって。別に大した理由はないよ」
「あ、もしかして俺に一目惚れしたんでしょ」
彼は、どや顔でちょっとだけ自慢げに言った。
「いや、違うよ。」
「嘘だ。顔に出てるぞ」
「いや、ほんとに違うんだって」
「じゃあ、なんでなの?」
今は説明したくない。彼のことをまだ自分が信頼できるとは言い切れなかったから私が、一年後に死ぬことを言いたくなかったのだ。
「えっと、今は説明できないかな」
「そっか。まあ、いつか聞けるのを楽しみにしてるよ」
「いつか、、、」
つい呟いてしまった。いつかなんて私には分からないから。
言う頃には私はいないかもしれないと思ってしまった。
「どうしたの?」
「あ、いや、何でもない」
「そう」
「そういや、今度、期末考査があるよね。一緒に勉強しない?」
「え?」
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