第48話
「こら!あなた顔怖いんだから、あんまり見つめちゃダメよ!」
「えー?俺、こわいー?」
ケタケタと笑う男に、まったくもう、と大家さんが叱った。
早めにここから立ち去ったほうがいいかもしれない。
「あ、あの…。私、帰り、ます」
「あらそう?気をつけて帰るのよ?」
「は、い…。ありがとう、ございました」
ぺこりと頭を下げ、早歩きでその場を去る。
どうやら、中森さんにはもう会えないらしい。
一度だけ振り返ると、金髪の男性と目が合った。
手を振られるが、怖かったので頭を下げてすぐ、早足でその場を去った。
曇天が隠す 上 露輝 @odio_pueri
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