第40話



「そうそう。

しかもね、すっっごい借金まみれ!

私もやめればよかったな…」





視線を落とす中森にかけられる言葉が何もなかった。


それでみんなここで働いているのか。





「ここ以外も、他の繁華街で仕事してる人もいるわ。

あと…消えちゃった人もいるし、裏のお仕事してる人もいる」


「そう、ですか……。あの、…香川社長は…」






中森が視線を逸らした。

自分を守るかのように、自分を抱きしめている。






「社長は…行方不明よ」


「え…」


「生きているのは確かみたい。

…定期的に借金返済の振込がされてるらしいから」


「それは、誰に、聞いたんですか?」


「私、手払いしてるの。自動振込で何かあったら嫌でしょう?

だから、その時に聞いたのよ」


「なるほど、…」







行方不明の社長。

でも、借金の返済はしている、か。



なんか……不気味だな……。









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