第28話



「ぁの、大丈夫、です。すみま、せ、ん」


「いやいや、ありがとうね

………本当に、ありがとう」





ふわっと笑って、また樹の方を見ている。



あんな風に愛し合えるようになるには、私に何が足りないのだろうか。


どうしてこの人たちは、こんなに人を信じられるのか。

愛せるのか。

手を差し伸べられるのか。






「ん〜」







眠そうに起きて、藤也に甘える樹の姿を見て、やっぱり、どうしようもなく羨ましかった。









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