第27話
「ぅ、……ん〜。お、はよ」
藤也が起きたようだ。
眠そうにあくびを噛みしめている。
それから、樹が藤也の肩に寄りかかって寝ているのに気づくと、愛おしそうにその頭を撫でた。
その関係が、ひどく羨ましかった。
「えっと、流舞ちゃん、だよね?」
「は、……ぃ」
「さっきは……ごめんね」
すこし怯えた様子の私を見て、申し訳なさそうに藤也が言う。
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