004

第23話

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ゆっくりと瞼を開ける。

まだ日が昇って間もない、明け方のようだ。




たしか、樹と話していたのが3時ごろだったから、まだそんなに時間はたっていないようだ。






「起きたか」






すぐ近くで声がした。

スッと立ち上がり、ふぁーとあくびをしながら伸びをしている。

貴都だ。






「さっきは悪かった」





さっき、の意味はわかるが、悪かった、の意味がよくわからなくて戸惑う。

悪かったのは、相手の事情にかってに首を突っ込み、その上お節介を焼いた自分だ。




「藤也がお前のこと睨んだだろ。何も聞かねぇままあんな態度したからな」






あいつ、謝りたいってよと言って貴都は部屋を出ていった。




そろりそろりとベットから出る。

フローリングはひんやりしていた。




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