第16話




「ぁ…、の……」


「大丈夫だよ、ごめんねぇ〜?」





ぽろぽろ、ぽろぽろ。








ーーーーなんでだよ!

ーーーー仕方ないことなんだ

ーーーー何がだよ!全然わかんねぇよ

ーーーーだって、僕は……










「樹さん」


「ん?」




水道の水をコップに注ぐ。

並々に注いで、それをぼーっと眺める。





「世界は、窮屈ですね」


「……え?」





コップの水を飲まず、そのままほんの少し残して流す。





「な、に?」






困惑したように私を見るその瞳は、とても綺麗だった。







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