第10話



「家、こっから遠い?」


「3時間、くらい?」


「…遠いな。実家暮らしか?」


「ひ、1人」


「マジか。年齢は?」


「え、っと、、23?」


「明日の欠勤とか、職場に連絡しなくて大丈夫か?」


「仕事、やめた、……か、ら……」


「ならそれは心配なしと」







次々にメモに書き取っていく。

貴都の字は、とても綺麗な線をしていた。








「まぁ、このくらいわかればなんとかなるか…」




何か、一人でブツブツ話している。

壁時計が示す現在時刻はAM12:48。









──ピーンポーン…












こんな夜更けなのにも関わらず、インターホンが鳴った。


貴都が立ち上がり、玄関に向かって行く。






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