第2話 俺のスキルは、???

俺のスキルは…


『ネットショッピング』

『料理』


だった。


うんうん、異世界でもネットショッピングはやっぱり必要だよね!

料理なんて、メシ食えるから最高じゃん!


などと、思うはずもなく…


俺は、心の中で、何それ…!?と叫んでいた。


「では、それぞれスキルを発表致せ。」


フィオーネアが言うと、まずは、学級委員長の神崎奈緒が発表した。


「私のスキルは…

正義の鉄剣、勇気の盾、回復、です。」


マジか…?

いや、そりゃ、あっちの方がデフォルトじゃん?

普通はネットショッピングとか、料理って無いっしょ!


俺は自分自身にツッコミながら、他のクラスメイトの発表を聞いていた。


「ふむ、皆中々のスキルを持っている様じゃな。

では、えーと、最後に、そこの!

そこの、パッとせん奴!

発表せぃ!」


パッとしなくて悪かったな!


「あ、えーと、俺のスキルは…

ネットショッピングと料理、です…」


俺は仕方なく本当の事を言った。

ここで嘘をついてもすぐにバレてしまうからだ。


「ぶっ!

ネットショッピングって!

主婦じゃん!」

「やだぁ、やっぱり江波ってアホね。」

「ダサっwww」


みんなからの笑い声が聞こえる。


「ネット…ショッピング…?

ええい!

訳の分からんスキルを引き当ておって!

お前など、追放じゃ!!!」


フィオーネアは怒って言う。


「そんな…!?

俺は行く場所も金も…!?」


「我がサンダーを食らう前にさっさと行け!!!」


フィオーネアが言うと、俺は「はい、江波逃げます!」と言って城から出ていった。


もちろん、無一文だ。


はぁぁぁあ…

どうすれば良いんだ…?


無一文で追い出さなくってもさぁ。


スキルはネットショッピングと料理だし、ダンジョンに行って稼ぐ事も出来ないだろうし…


そう思って街の教会の階段に座り込んでいると…


「よぉ、兄ちゃん、見ない顔だな?」


1人のおっちゃんが話しかけてきた。


「あ、さっきこの街に来てー…

ははっ…!」


「そうか。

なんだか、元気が無いが、どうしたんだ?」


「いやぁ、俺今無一文で…

どうしようか…と…」


「なんだ、そんな事か!

ほら、3000G!」


おっさんは3枚の紙幣を俺に渡した。


「い、いや…

見ず知らずの人にそんな大金もらう訳には…」


俺は言う。


「遠慮すんなって!

そうだ、タダでもらうのがダメなら、こうゆうのはどうだ?」


「?」


「明日あるダンジョンに行くんだが、荷物を運んで貰いたいのよ。

どうだ?兄ちゃん?」


「え、あぁ、良いです…けど…」


俺はそう言った。

トントン拍子に話は決まり、明日の朝8時に街の西門でピエールさんらと待ち合わせる事にした。


良かった、金あって…

良い人だ、ピエールさん…


そして、俺はとりあえず宿屋に向かった。


宿屋は一泊150Gだった。

結構安い。

と言うか3000Gが大金なのかな…?

よく分からない。


俺は宿屋の部屋で改めてステータスを開いた。


【名前】江波周斗えなみしゅうと

【スキル】ネットショッピング→、料理

【レベル】1

【HP】100

【MP】120

【力】120

【精神】100

【素早さ】150

【賢さ】120

【運】777

【命中率】76.23%

【魔法】-

【技】-


とあった。


なんとなくネットショッピングの横に光っている→を押してみた。


すると…


【ネットショッピング】


★マキロン…200G→

★ホットドッグ…280G→

★異世界新聞…1000G→


とあった。


???

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