第10話校長

「学校間に合うかな?」

「時間的に到着しても授業は一つしか受けられないでしょうね」

「なあ、学校になんて言えば言いかな?」

「もうこの際校長先生だけじゃなくて教師には言ってもよろしんじゃないですか?」

「うーん、そうだよな。言わないと迷惑だろうし。でも老人どもがうるさいよな」

「それなら許可は貰ってますよ」

「ん?」

「世界政府の方々には私から話をしました」

「いつの間に」

「いつかこんな日が来るのではと思いまして、多少無理はしましたが信用ができる人間にだけ話す許可を貰えるました」

「いつから交渉を?」

「そうですね。日本に戻ってくる一か月前に私は直接会うことは叶わないのでインターポールの長官に連絡して交渉をしてもらいました」

「で、見返りは?」

「今の仕事を続ける事でした」

「それだけか?」

「後は話した人を報告する事でもう学校の教師の方のリストは伝えました、そろれから河上様がこの仕事が少しでも世間にばれてしまえば何処から漏れたのかを調査し漏らした人本人と家族の戸籍を消すと」

「存在していた人間を完全に消すって訳か」

「河上様の事を考えれば当然と話していました」

「俺が信頼してる人間を存在していたと言う事を消そうとする奴らとは思えないけどな」

「それから目の事は話すなと言われました」

「それはそうだな、俺も目の事を知られれば生きづらくなる」

「まあそうでしょうね」

「取り敢えず生徒には話すつもり話すつもりはないしはないしそうなれば高坂には話すよ」

「分かりました、では校長先生に電話しますね」


それから高坂は校長先生に状況を伝えていた


「着きました」

「おう」

「まずは校長先生に会いに行ってください」

「分かった」

学校に戻って来たがまずは校長室に向かう

校長室の前で二回ノックした

「どうぞ」

「失礼します」

「ああ、河上君か。話は聞いたよ」

「ご迷惑をおかけして申し訳ございません」

「いやいや、そんな事はないよ」

「それよりインターポールの日本支部の長官と交流があったと聞いた時は驚きましたよ」

「まあ彼とは高校が同じでね」

「それじゃあ学歴は大分良いみたいですね」

「まあね、大学は慶応だから慶応ボーイだよ」

「それは幼稚園から大学まで通った人が慶応ボーイと言うみたいですよ」

「そうなの?」

「まあ私も人から聞いた話ですけど」

「そうなんだね」

「それで僕の事はどこまで?」

「君が中学生で警察に入りそしてインターポールに入り仕事をする為に留学した事くらいだね」

「殆どの知っていると言う認識で構いまわないと言う事ですね」

「そうだねでも私もこれを誰かにうっかり話してしまってそれがばれれば消されてしまうと」

「ばかげていますよね」

「まあね、でも僕には家族がいるから酔っても誰にも話す事はないから安心してくれ」

「分かりました」

校長は僕がどんな仕事をしているのか知っている数少ない一般人になるのだろうけどそれでも僕の目の事は知らない様子だった

「ではくれぐれも慎重にお願いします」

「分かった、でもどこまで話すべきか」

「そうですね」

「うっかりすると教職員とその家族の命と存在がかかっているからね」

これから関係性が薄い人達にも思い十字架を背負わせてしまうのかと思うと思わず深くため息がでてしまう

「それよりそこまで河上君を守ろうとする組織がインターポールだけとは思いずらいんだがそれについては話してはくれないんだね」

世界政府については流石に知らないようだった

「それに関してはノーコメントで」

「秘密主義なんだね」

「世の中には知らない事もありますしそれにこれ以上校長先生に要らぬ十字架は背負わせたくありません」

「君は優しいんだね」

「僕は優しくなんてありません」

「自分に厳しすぎるもの良くないよ」

「そうですかね」

「うん、君が海外でどんな仕事をしていたのかまでは分からないけどこの学校で君のことは一番知っているからいつでも此処に来なさい相談くらいなら私にもできるしね。でも一つだけ注文があるとするならば」

「なんですか?」

「出来れば恋バナがいいね」

「は?」

「いやー若者の恋バナ程面白いものはないからね」

「いや、そう言う仲の人はいないんで、他を当たってください」

「そうかい」

「じゃあ僕は授業に戻りますね」

「うん、でももう三年生は帰宅の時間だよ」

「え?」

時計を見るともう午後を回っていた

「言ってくださいよ」

「まあ教員に事情を説明して明日学校に来たほうが居やすいかなって思って」

「そうですか」

これは校長先生なりの気遣いだと思い素直に家に帰る事にした

「じゃあ僕はこれで」

「うん、明日からは教職にも事情が伝わるから頑張ってね」

「はい」

「でも、できる限り仕事より学業優先ね」

「はい、一応僕も今は休職中なので」

「分かった、じゃあ気をつけて帰ってね」

「はい」

そうして結局授業は受けられずに家に帰った。

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ひ弱な彼が最強のボディガードになって帰ってきました。 やと @yato225

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