世界は(物理的には)広いし、(感覚的には)世界は狭い。
「ねぇねぇさくっち~」
「どうしたの
「今日さくっちの家行ってみてもい~い?」
「え?…えっと…ちょっと待ってね?」
「うん、分かった~」
スマホを取り出して、先輩にメッセージを送る。
SAKU:先輩
Hibiya.T:どうした?
SAKU:その、今日友達が家に行きたいって行ってきたんですけど…
SAKU:いいですか?
Hibiya.T:あぁ、まあいいんじゃない?
SAKU:一応、名前は理上未空って言います
Hibiya.T:あぁ、うん。サンキュ
「…どうって?」
「うわ、驚いた…」
「って、あれ…。この名前…。…もしかして」
「…?」
■
「…まさか、な」
時に、現実は小説よりも奇怪であると、聞いたことがある。まあそれはそうだろう、所詮創作の世界は人の想像が及ぶ範囲でしか描くことができないのだから。
…まあ、だから…この
…というか、普通に疎遠になってたから会ったら絶対に気まずいだろ…。
SAKU:私たちは部活があるので、あとで家に帰ります
Hibiya.T:了解
■
「ただいま」
「お邪魔しま~…」
「「」」
俺と、俺の目の前に居る少女がお互いを見合って、絶句する。
…全く一緒だからだ。疎遠になっていた、幼馴染と。
「
「
「あれ、二人って知り合いなの?」
「…ん~…え~っとね~、…疎遠になっていた幼馴染かな~」
…実は一時期
「…なんだか、あんまり変わってないね。
「まあそんなとこだな」
「ふ~ん。つまり今ここには、女子2人と男子1人がいるわけだ」
「…
「…ま、いいや、取り敢えず手洗わせて~」
「洗面台はこっち」
「は~い」
玄関から靴を脱いで家に上がり、
…ほんとに
■
まさか本当に
いや、久しぶりに会えてうれしいけれどさ、なんかこう…つい最近まで疎遠になっていたし…。
いや、でも…そんなに気まずくはなかったかも?
…
私だって別に、嫌いな訳じゃない。というかまあ好きなのだ。
さくっちに
…私は負けヒロインなのか、それとも正ヒロインなのか…。まあどちらにせよ、私は
…とはいえ、久しぶりに会った幼馴染を見て思った事、それは、『あんまり変わってないな』という事。
なんて言うか、
手を洗い終わった後、私はリビングの中に足を踏み入れる。
…視界に入ってきたのは、いつかの日と全く同じ光景だった。よくこの家に遊びに来た。最早ここは第二の実家と言っても…流石に差支えはある。けど感覚的にはそんなものだ。
世界は(物理的には)広いし、(感覚的には)世界は狭い。…なんだか、そんな言葉が似合う気がする状況だ。
「…あんまり変わってないね、ここ」
「そりゃあな。模様替えとか面倒くさいことこの上ないだろ」
「まあそれは確かにそうかもね」
■
…なんか…なんか、絶妙に
いや、まあ別に良いのだけど…。なんか…なんかこう…引っかかるものがあるのだけど…。
――――――――
作者's つぶやき:えーっと…はい、短くてすみません。最近本当にネタも無けりゃ時間もないんです…。本当、何なんでしょうね。新しい作品のネタだけはポンポンと思いつくというのに。
自分の脳みそがこれほどまでにクソだと思ったことはありませんよ。全く。
――――――――
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